全員協議会での質問【令和6年2月 議員全員協議会】

目次

 県立中央病院と青森市民病院の統合新病院整備について 

 現時点で統合新病院の開院時期の目標は令和12年3月頃を目途に設定とのことですが、開院に当たっては、県立中央病院、青森市民病院に入院されている患者の方々に新病院へ移っていただくことになります。
 何百人という方々に移動していただくわけで、かなりの規模の移動になると思います。
 また、人だけではなく、医療機器も同様に、大型の機器であったり、衝撃に弱い精密な機器の移動もあることだと思います。
 そのため、十分に計画を練った上で、リハーサルを行ったり、不測の事態にも対応しなければならないと思います。

 そこで、統合新病院への患者の転院、また、利用可能な医療機器の移転について、早い段階から計画的に進めていくべきだと考えますが、県ではどのように取り組んでいくのかお聞きします。

【質問】統合新病院への患者さんの転院や利用可能な医療機器の移転について、早い段階から計画的に進めるべきと考えるが、県はどのように取り組んでいくのか伺いたい。   

回答:富谷病院局長
  • 患者さんの移送に関しては、周辺整備も含めた統合新病院の整備状況等も考慮しつつ、移送ルートの選定や移送するための車両の確保、移送時に患者さんが急変した場合の対応などについて、他病院の移送事例なども参考にしながら、安全かつ円滑に移送することができるよう、時期を逸することなく検討していきたいと考えております。
  • また、利用可能な医療機器に関しましては、基本構想・計画の策定過程において、統合新病院の医療機器整備計画を作成し、その計画に基づき、統合新病院に移設可能な機器等について、移設費用なども含めた移設計画等を検討していきたいと考えております。

 まだ先の話ではあるんですけれども、このような大規模な移動、引っ越しというのは経験したことがある方というのはなかなかいないでしょうし、令和12年の3月を目途にしているということで、3月、気温も低くて天候が悪いということも十分に考えられます。
 今年は雪が少ないですけれども、例年、3月、この青森市は雪がある状況なので、患者の容体も、例えば移動中に急変する可能性というのも十分にあります。
 既に統合を行った病院などの事例を学びながら、十分に対応していただければと思います。

共同経営・統合新病院整備に係る基本的事項の見直し(案)について 

【質問①】統合新病院における職員の確保に向けた取り組みについて 

 統合新病院において職員の確保を抜かりなく行っていかなければなりません。
 まず、現時点での医師、看護師などの職員数の状況、こちら県立中央病院と青森市民病院、おのおのの数がどうなっているのかお聞きします。

(ア)県立中央病院と青森市民病院の医師、看護師などの職員数の状況について伺いたい。  回答:富谷病院局長
  • 県立中央病院と青森市民病院の再任用職員等を含む全体の職員数については、令和5年4月1日現在で、県立中央病院が1576人、青森市民病院が725人、両病院の合計が2301人となっております。
    • そのうち、医師については、県立中央病院が203人、青森市民病院が63人、両病院の合計が266人、看護師については、県立中央病院が880人、青森市民病院が359人、両病院の合計が1239人となっております。

 こちらは相当数の職員、また、医療従事者の方々がいらっしゃるわけです。
 統合新病院において働く職員の方々の声、現場の声を聞きながら、その声を反映させていく、そしてよりよい勤務環境を統合新病院では整備していかなければならないと思いますが、県としてはどのような見解でしょうか。

(イ)統合新病院において、職員が働きやすい勤務環境を整備するためには、職員の声をしっかりと聞き、それを反映させていくことが重要と考えるが、県の見解について伺いたい。   回答:富谷病院局長
  • 統合新病院の整備に当たっては、職員が働きやすい環境の整備に努めていきたいと考えております。
  • その検討に当たっては、必要に応じて、職員アンケートや職員団体との意見交換を行うなど、職員の意向も踏まえながら進めてまいりたいと考えております。

 働く職員の方々の声を決してないがしろにしないで、十二分に反映させていただければと思います。

 では、統合新病院の経営形態に関しての質問に移りたいと思います。
 現段階で、企業団による経営か、もしくは非公務員型の地方独立行政法人による経営が想定されているということですが、非公務員型地方独立行政法人の場合、職員の身分などはどのように変わるのでしょうか、お聞きします。

(ウ)非公務員型地方独立行政法人の場合、職員の身分等はどう変わるのか伺いたい。    回答:富谷病院局長
  • 統合新病院の経営形態が非公務員型の地方独立行政法人となった場合、統合新病院で勤務する職員は、原則としまして地方独立行政法人の職員となり、地方公務員ではなくなります。
    • 地方独立行政法人の職員となることにより、労使関係については、地方公務員には認められていない争議権が認められるほか、職員の給与については、県や青森市の条例等ではなく、法人独自の規程で定めることとなります。

 独法の場合、また様々な点が変わるということで、独法にしても、企業団にしても、病院が統合されると、それに伴って病院の経営形態も企業団、独法のいずれかに変わる。
 たくさんの職員の方々がいて、変更されることに不安を覚える職員の方々も当然いらっしゃるわけです。
 身分がどうなるのか、処遇がどうなるのか、そういった不安があると思いますが、こういったことを十分に職員へ周知していく必要があると思いますが、県はどのように取り組んでいくのか、見解をお伺いいたします。

(エ) 両病院の統合に伴い経営形態が変更することについて不安を感じる職員もおり、身分や処遇等について職員に周知する取り組みも必要であると考えるが、県の見解について伺いたい。     回答:宮下知事
  • 経営形態の検討に当たっては、これまで企業団や地方独立行政法人の制度について、職員団体との勉強会を開催するなど、相互の理解を深めているところであります。
  • また、職員に対しては、経営形態に関する情報を院内情報サイトに掲載し周知を図るとともに、質問等についても随時受付するなど、理解を深めるための活動を行っております。
  • 今後も有識者会議での議論を踏まえ検討し、その都度、職員に対して情報提供しながら、経営形態を含めた共同経営・統合新病院整備に係る理解を深めてもらえるよう取り組んでいきたいと考えております。

 周知を図っていくということですが、全員が全員、新しい統合新病院に移るわけでもないと思うんですね。
 違う病院に移ったりする方々もいらっしゃると思うので、そういった職員の方々に対してのケアなどもぜひ検討していただければと思います。

【質問②】統合新病院において若い医師などを確保していくためには、指導医の充実が必要と考えるが、県はどのように取り組んでいくのか伺いたい。   

 こちらは午前中の質問でもありましたが、今、青森県において医師確保というのは本当に急務の状況となっています。
 医学部合格者であったり、臨床研修医の採用数も増えているとはいえ、政府の一番新しい統計では、2020年時点の人口10万人当たりの医師数が青森県内、全国平均に比べて30歳から49歳の医師が特に少ないという状況になっています。
 このゾーンが少ないということは、研修医を指導していく立場の臨床経験を7年以上有する指導医の方々も足りない状況ということです。

 研修医を指導していく立場の指導医がきちんと確保できなければ、研修医の増加というのもなかなか見込めないでしょうし、研修医が増えなければ医師も増えていかない。
 鶏が先か卵が先かというわけではないんですけれども、統合新病院において若い医師などを確保していくためには、指導医を充実させていくことが鍵となってくると考えます。
 指導医を充実させていくための取組をどのように考えているのか、県の見解を伺います。

回答:吉田病院事業管理者
  • 県立中央病院と青森市民病院は、臨床研修指定病院として、研修医の育成、指導を行っておりますが、統合新病院で医師を育成していくためには、十分な経験や知識、技量を有する指導医を確保、育成していくことが重要であると考えております。
  • こうしたことから、統合新病院では、医師養成機関であります弘前大学や自治医科大学などの御協力もいただきながら、各種臨床研修プログラムの充実などによる幅広い人材育成を行うとともに、最先端の医療機器導入などによる高度な医療教育環境を整備し、指導医を含め、医師にとって魅力ある環境づくりに努めてまいりたいと考えております。

 これから規模なども決まり、そして内容も具体的なことが決まっていくとは思うんですが、病院の統合によって規模が大きくなる、その規模の大きさを生かして機能を充実させる、魅力ある病院として全国から注目されるよう、そして医師からも青森のここの病院で働きたいんだと選んでもらえるような統合新病院を目指していただきたいと思います。

【質問③】統合新病院の整備場所について 

 整備場所の問題というのは、今、市民や県民が特に気になっている問題であったり関心の高い問題であると思います。
 しかし、そもそもこの整備場所はどういった検討過程を経て決定されていくのか。
 有識者会議であったり、整備場所等検討会議など、いろいろ行われて、そして総合的な判断の上で整備場所が決定されていくというのは分かるんですけれども、その過程に関して、どのような検討過程を経て決定されていくのかということを改めてお聞きしたいと思います。

(ア)整備場所については、どのような検討過程を経て決定されるのか伺いたい。  回答:宮下知事
  • 統合新病院の整備場所については、まちづくりの観点等からの検討が重要であることから、まずは青森市において統合新病院整備場所等検討会議を開催し、主体的に検討を進めていただいているところであります。
    • 青森市の検討結果の取りまとめ後は、県と青森市で構成する共同経営・統合新病院整備調整会議や、県と青森市が共同設置する共同経営・統合新病院整備に係る有識者会議において検討していくことになります。
  • これらの会議での御議論や検討等を踏まえながら、最終的に私と青森市長が協議し、候補地を決定することとしております。その上で、県議会、市議会への報告等の所要の手続を経て、県議会、市議会での御議論をいただいた上で整備場所が決定されることになります。

 今後も会議を経て、そして最終的には知事と市長によって決定して議会に諮るということが分かりました。
 整備場所について、青森市内でまさに検討の最中でございますが、今後の有識者会議ではステージが変わると思うんですけれども、どのような議論が行われていくのかお聞きします。

(イ)整備場所については、現在青森市において検討されているが、今後、有識者会議では、具体的にどのような議論が行われることとなるのか伺いたい。   回答:富谷病院局長
  • 統合新病院の整備場所については、これまで青森市の整備場所等検討会議において、まちづくり、通院アクセス、救急搬送、災害等の観点から検討していただいています。
  • 県と青森市が共同設置する有識者会議では、青森市の整備場所等検討会議における意見の取りまとめ結果等を踏まえながら、基本的事項に定める整備場所選定の観点に基づき、総合的に議論することを想定しております。

 総合的に判断していくということで、現在、まだ正式な統合新病院の整備場所は定まっていません。現在検討されている整備場所以外の新たな候補地が出てくる可能性もゼロではないんでしょうけれども、ただ、現時点では青い森セントラルパークが有力ではないかと、今までの会議の中でもそういった声が多く上がっています。

 今まで検討されているおのおのの場所にメリット、デメリット、様々にありますけれども、青い森セントラルパークの場合はアクセスの問題というのがやはり一番のネックになってくるのかなと思います。
 道路は広くない、線路もある。
 青森市総合体育館も同じ場所にあって、混雑というのが予想されているわけです。
 ネットのほうでも、統合新病院のニュースが上がるたびに、いろいろコメント欄とかでも、青い森セントラルパークで大丈夫なのかみたいな議論がよく上がっているんですけれども、今の道路の状況ではなかなか不十分であるんだろうなというのは素人目から見ても明らかであると思うんですね。

 また、新しい道路を造ったり、拡張したりということもきっと出てくる、場所によっては必要になってくると思うんですけれども、統合新病院の整備場所によっては交通渋滞などへの対策が必要となる場合もあり、そうした課題への対応、また、その際の費用負担などに関して、県としてはどのような見解なのかお伺いいたします。

(ウ)統合新病院の整備場所によっては、交通渋滞等への対策が必要となる場合もあると考えるが、これらの課題への対応及びそれに係る費用負担の考え方について伺いたい。    回答:小谷副知事
  • 現在は整備場所そのものの検討が進められているところではございますが、仮に交通渋滞等への対策が必要となった場合には、費用負担の在り方も含め、関係者間で調整を進めていくことになると考えているところでございます。

 どちらか一方の負担になったりとかなく、今後そこら辺も含めて、場所が決まって、そして必要であれば道路の部分も検討されていくということが分かりました。

【質問④】開院時期の設定に当たって、次期保健医療計画との整合を考慮した理由について伺いたい。  

 見直し(案)の十番の開院時期のところに、最近の病院整備の事例、次期保健医療計画との整合などを考慮し、開院時期の目標を令和12年3月頃を目途とすると記載があるんですけれども、整合を考慮しという点が具体的になかなか分からないなと思いまして、開院時期の設定に当たって、次期保健医療計画との整合を考慮した理由などをお聞きしたいと思います。

回答:富谷病院局長
  • 病院を開設しようとする際は、医療法に基づく許可が必要となります。その許可には病床数についても含まれており、そうした許可等をまとめたものが医療計画と呼ばれております。また、医療計画は、医療法に基づき都道府県が策定するものとされております。
  • 現在は、第7次保健医療計画の計画期間中であり、次の第8次保健医療計画は令和6年4月から令和12年3月までを計画期間としております。このため、開院時期につきましては第8次保健医療計画との整合性を考慮したものでございます。

 こちらは次期保健医療計画が変わるタイミングで、そちらの整合なども考慮して決めていくということで、今回の全員協議会に関する質問、前回と大きく変わった点がまだなかなかない状況ではあるので、今後また具体的な中身がさらに決まっていって、また、こういった全員協議会の場であったり、そういった場で内容を深めていかれるものだと思っています。
 その際にも、十分にまた議員と、そして青森市としても、県としても、新病院を魅力ある統合病院とできるように、みんなで一丸となって進めていければと思いますので、また引き続き実りある議論ができるように努めてまいりたいと思います。

 以上で私の質問を終わります。

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