八戸市児童死亡事案に係る第三者委員会の設置等についての質問【令和6年4月総務政策こども委員会】
八戸市児童死亡事案に係る第三者委員会の設置について
新政未来の小笠原です。それでは、私から質問をしていきたいと思います。
まず、八戸市児童死亡事案に係る第三者委員会の設置に関してです。
今月の1日に知事の定例会見がありました。
そこにおいて、記者からの質問に対して、八戸市の児童が児童虐待により亡くなった事案に関しての第三者委員会の第1回目の開催を5月下旬、5月29日に予定しているという発表がありました。
こうした発表があったので、改めて質問させていただきたいと思います。
この第三者委員会、正確には児童処遇部会だと思うんですけれども、こちらを設置する目的について伺います。
【質問①】第三者委員会を設置する目的について伺いたい。
回答:和田こどもみらい課長
- 児童虐待を受けた児童が心身に重大な被害を受け、児童の死亡に至った事案については、児童虐待の防止等に関する法律第4条第5項の規定に基づき、地方公共団体が原因の分析や再発防止策等の調査及び検証を行うこととされています。
- そのため、県では、委員から御指摘のあったいわゆる第三者委員会に当たる検証組織として、青森県児童虐待による死亡事例等の検証要領に基づき、青森県社会福祉審議会児童福祉専門分科会児童処遇部会を設置しており、今回の死亡事案についても、同部会において原因の分析や再発防止策等の調査及び検証を行うものです。
【質問②】第三者委員会の組織構成について伺いたい。
この第三者委員会というのはどういった構成になるんでしょうか。
回答:和田こどもみらい課長
- 児童処遇部会は、検証の客観性を担保するため、外部の第三者で構成しています。委員は、児童養護施設長、青森県中学校長会会長、弘前大学教授、弁護士など社会福祉事業従事者及び学識経験者合わせて9名で構成しており、任期は令和4年9月1日から令和7年8月31日までの3年間となっています。
- 児童処遇部会は、事案が発生した原因分析や再発防止策等の調査及び検証を行う役割を担っておりますので、その委員は社会福祉事業従事者及び学識経験者のうち、子供の教育や医療、社会的養育等について専門的な知識や経験を有する方について、関係団体に推薦依頼等を行った上で委嘱しています。
【質問③】第三者委員会の開催スケジュールについて伺いたい。
先ほどの話に戻りますが、知事会見のほうで、5月下旬、5月29日に第1回目を開催するという話をされていましたけれども、今後の第三者委員会、児童処遇部会の開催のスケジュールを伺いたいと思います。
回答:和田こどもみらい課長
- 児童処遇部会では、関係機関ごとのヒアリングや現地調査等による事実関係の明確化、事案が発生した背景、対応方法、関係機関の連携、組織の体制、その他の問題点や課題の抽出、抽出された問題点、課題を踏まえた具体的な対策の提言を行い、検証報告書を取りまとめることになります。
- 事案に係る1回目の部会を令和6年5月29日に開催し、その後も検証状況に応じて複数回開催する予定としています。
【質問④】県では第三者委員会による結論をいつまでに出す予定か伺いたい。
複数回重ねていくということでしたが、こちらの第三者委員会での話合いがあって、こちらの結論をいつまでに出す予定であるのか伺いたいと思います。
回答:和田こどもみらい課長
- 今後の児童処遇部会による検証状況によりますが、県としては、令和6年度中に検証報告書を取りまとめたいと考えています。
今年度中ということなので、ある程度のスピードも必要だと思います。
きちんと検証することは必要ですけれども、ただ長く続けてもいけないものだと思うので、きちんとスケジュールを組んでやっていただければと思います。
結論が出た上で、例えばその結論をどういったふうに生かしていくのかとか対応していくのか、現時点で県のほうで考えていますでしょうか。
回答:和田こどもみらい課長
- 児童処遇部会の分析、検証において、改善点、指摘事項が示された場合は、県として必要な体制の強化等について検討してまいりたいと考えております。
必要があれば連携を強化していく必要があると思うんです。
今までも、例えば警察もそうですし、いろんなところとの連携は強化されているとは思うんです、児童福祉司の人数を増やしたりとかもありますし。
ただ、それでも今回、このことが起きてしまった。
私は防げたんじゃないかなと思うんですけれども。
人数が足りてなくて、たくさん相談件数も来て、その中で対応し切れないという部分もあったと思いますし、これから第三者委員会、児童処遇部会でまたいろいろなことを話し合われると思います。
新たな事実が出てくるかもしれませんし、そういった中で、二度とこういうことがないように、いろんな関係機関と連携しながら対応していただければと思います。
子ども自立センターみらいについて
次は、県の児童自立支援施設の子ども自立センターみらいに関しての質問をしたいと思います。
【質問①】子ども自立センターみらいの概要について伺いたい。
児童自立支援施設、青森市の合子沢というところにあるんですけれども、子ども自立センターみらいの概要についてお伺いいたします。
回答:和田こどもみらい課長
- 青森県立子ども自立センターみらいは、児童福祉法第44条に規定する児童自立支援施設であり、設置の目的は、非行などの問題行動を起こした児童や、家庭環境その他の環境上の理由により生活指導を必要とする児童を入所させ、1人1人の児童の課題や特性に応じた必要な指導を行い、自立を支援することです。
- 子ども自立センターみらいには、令和6年4月1日現在で7名の児童が入所しています。
【質問②】子ども自立センターみらいが令和3年度に受審した第三者評価で、改善を求められる点として挙げられた項目への対応について伺いたい。
こちらの子ども自立センターみらいは、定期的に福祉サービスの第三者評価が実施されています。
直近の令和3年度に行われた青森県社会福祉士会による評価で、ビジョンであったり計画、また、緊密な連携の下で児童の学校教育を保障しているなど好評価がある一方で、居室を個室化すべきだとか、エアコン設置など、生活・学習空間の整備をなるべく整えて行くべきではないか、また、福祉人材の確保であったり、定着、また、高校生以上の受入れの期待、そういった改善を求める評価もされていました。
県では令和3年度に受審した第三者評価で改善を求められる点として挙げられた項目への対応をお聞きしたいと思います。
回答:和田こどもみらい課長
- 子ども自立センターみらいが令和3年度に受審した第三者評価では、改善が求められる点として、主に居室の個室化やエアコンの設置等の生活・学習空間の整備、必要な人材等を確保した上での高校生以上の受入れの2点が指摘されたところです。
- 子ども自立センターみらいは、昭和54年に竣工してから45年が経過しており、老朽化や狭隘化が進んでいることから、県としては、今後、子ども自立センターみらいの改築や移設について検討を進めていく中で、第三者評価で指摘された事項についても検討したいと考えています。
建てられてから結構期間がたっているということで、これから新しくしていく予定ということだったんですけれども、現時点で改築であったり、移転時の場所をどこにしようかとか、そういったものというのは、ある程度決まっていたりするんでしょうか。
回答:和田こどもみらい課長
- 検討につきましては今後進めていきたいということでございまして、現時点で改築、移転等の時期については決まっておりません。
これから計画を立てられていくとは思うんですけれども、決まりましたら、速やかにオープンにしていただければと思います。
【質問③】子ども自立センターみらいから退所した児童への支援の内容について伺いたい。
そして、子ども自立センターみらいから退所した児童たちへの支援の内容について伺えればと思います。
回答:和田こどもみらい課長
- 子ども自立センターみらいを退所した児童は、令和5年度で7名おり、内訳は、高校進学が4名、他施設等への措置変更が2名、その他が1名となっています。
- 子ども自立センターみらいを退所した児童への支援については、引き続き児童相談所を中心とした関係機関が連携をしながら対応しています。
- 退所後1年間程度、訪問面接や電話連絡等により児童の生活状況等を確認しています。また、その児童に応じて、その後も継続してケアすることもあるというふうに聞いております。
やっぱり個々のケースがあると思うんですけれども、アフターケアというのが本当に重要になってくると思います。
退所した後に安定した親子関係、親子でなくても、家庭内の関係をきちんと定着させていったり、問題行動とかの再発を防止するために、アフターケアというのが非常に重要になってくると思うので、1年間のケアもそうですし、それ以降のケアに関しても必要があれば、きちんと対応していただければと思います。
無事に退所できる児童もいるかと思いますが、一方で家庭に復帰することが難しい児童もいると思うんです。
基本的にこの施設にいられる期間というのは限られているでしょうが、何か問題があって家庭に戻ることが難しいとなったときにはどういった対応をされていたりするんでしょうか。
回答:和田こどもみらい課長
- 児童養護施設であるとか、あるいは児童自立生活援助事業、自立援助ホーム、そういったところへ住むということもございます。
退所して家庭に戻るのが難しいとなったときも、そういった施設と連携しながら、そちらに移って、また自立を支援していくといった理解でよろしいでしょうか。
回答:和田こどもみらい課長
- 関係機関で連携しているということでございます。
冒頭のこども家庭部の資料でも、配偶者の暴力件数も増えていますし、家庭内での暴力も本当に増えていると思うんです。
そういった児童虐待を受けている子たちが児童自立支援施設のほうに入所するということもあると思いますし、そういった児童たちの精神的なケアも必要になってくると思います。
それには長い時間もかかってくると思います。
家庭内の状況もいろいろある中で、退所した後、その子たちの未来をよりつないでいけるように、県としても様々な機関と連携しながら、どんな子供たちでも支えていけるような社会体制をつくっていただければと思います。
以上で質問を終わります。
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