
旧優生保護法に基づく優生手術を受けた方に対する一時金の支給についての質問
目次
旧優生保護法に基づく優生手術を受けた方に対する一時金の支給について

私からは、旧優生保護法に基づく優生手術を受けた方に対しての一時金の支給について質問いたします。
旧優生保護法の下で、障がいなどを理由に不妊手術を強制された人たちが国を訴えた裁判ですが、今年の7月3日、旧優生保護法は憲法違反であるとの判決が最高裁で示されました。
憲法第13条の幸福追求権ですね、生殖能力の喪失という重大な犠牲を求めるもので、個人の尊厳と人格の尊重の精神に著しく反している。
そして、憲法第14条、法の下の平等にも、障がいのある方などに対する差別的な取扱いであるとして、旧優生保護法は憲法違反であるとの判決が出ました。
全くもって妥当な判決だと思います。
【質問①】旧優生保護法に基づく優生手術を受けた方の県が把握している人数について伺いたい。
そしてつい先日、訴訟を起こした原告の方々と国で和解に向けた合意書を交わされたわけですが、これに関連して、2019年より優生手術を受けた方に対する救済の一時金の支給が始まっております。
全国に対象者が2万5,000人ほどいると言われている中で、実際に一時金が支給された方、申請した上で、審査されて、そして支給されているということですけれども、実際に支給された方というのは1,000人ちょっと、1,130人とかそれくらいの数だったと思うんですけれども、まだまだそれくらいしかいないということでした。
青森県での状況も確認したいと思うんですが、本県において、旧優生保護法に基づく優生手術を受けた方、県が把握している人数についてお伺いいたします。
回答:和田こどもみらい課長
- 県が保有している文書から、旧優生保護法に基づく優生手術に関する記録を確認した結果、氏名等を把握できた方は74人となっています。
【質問②】旧優生保護法一時金支給法に基づく一時金請求件数及び認定状況について伺いたい。
全県で74名ということですが、このうち、旧優生保護法一時金支給法に基づく一時金の請求件数及び認定の状況はどうなっていますでしょうか。
回答:和田こどもみらい課長
- 本県における一時金請求件数は、制度が開始された平成31年4月24日から令和6年8月31日までの間の合計で13件あり、そのうち11件が認定され、2件が不認定となっています。
- 不認定の2件については、国の旧優生保護法一時金認定審査会において、請求者の陳述や医師の診断の結果、または戸籍も含めて総合的に勘案した審査の結果を理由として不認定とされております。
74名いらっしゃるうち、今まででまだ13件しか申請がなくて、そのうち2名の方が却下となってしまったと。
この2名の方というのは、記憶が十分に残っていなかったりとか、そういったことで却下になってしまったということであるんですけど。
74名のうち13件ということで、残り60名余りの方々がまだいらっしゃるわけです。
このうち、まだ生きていらっしゃる方、どれぐらいいるか分かりませんけれども、救済一時金の請求期限というのは2029年7月23日までなんです。
あと5年を切っています。
全県で60名ちょっとという数は、決して多い数ではないと思うんです。
基本的には自分自身で申請しないといけないので、対象の方々、県のほうでも氏名とか記録が一応残っているわけです。
ですので、個別にきちんと通知をして知らせる必要があると思うんです。
そして、申請してもらって、一時金を支給する、そういったことが必要だと思っています。
【質問③】旧優生保護法に基づく優生手術を受けた方に対し、個別に通知すべきと考えるが、県の見解について伺いたい。
そこで、旧優生保護法に基づく優生手術を受けた方に対して、県で個別に通知をしていくべきと考えるんですけれども、県の見解を伺います。
回答:和田こどもみらい課長
- 県としては、旧優生保護法に基づく優生手術を受けた方については、置かれている状況が様々であると考えられ、例えば家族に対し優生手術を受けたことを伝えずに長年にわたり過ごしてきた方もいると認識しています。また、文書に記録されている当時の住所から既に転居していることも想定され、通知が別の方に届いてしまうおそれもあります。
- さらに、都道府県において、仮に優生手術等を受けた者を把握している場合においても、一律に一時金の支給対象となり得る旨を個別に通知することは慎重に考えるべき、また、各都道府県におかれては、個別の通知を行わずとも支給対象となり得る者に情報が届くよう、様々な機会を捉えて積極的に周知、広報を行っていただきたいとの国の通知も踏まえ、県では今後も個別に通知することは考えておりません。
- 県では、支給対象となり得る方に広く情報が届くよう、一時金支給についてお知らせするチラシを作成し、市町村の窓口に配置しているほか、医療機関、福祉施設等にも配布し、様々な機会を捉えて周知に協力いただくなど、引き続きしっかりと対応していきます。
ちなみに、そのパンフレットなどでの周知というのはいつからやっているんでしょうか。
回答:和田こどもみらい課長
- 一時金の支給の制度ができてからということになります。
2019年、平成31年に開始されてからやっているということですが、それでも結局、まだ60名余りの方々が申請されていないということなんですよね。
13件の申請はありましたけれども、まだ届いていない方がいらっしゃるわけです。
実際、対象者の数の違いもあるとは思いますが、例えば鳥取県、兵庫県、岐阜県、山形県の4県では個別の通知を行ったわけですね。
旧優生保護法の下で手術された方々というのは、何も自分たちが悪いとか、そういうことでもないのに、何も知らされずに強制不妊手術を受けたわけです。
先ほどの4県は個別の通知があって、残りの43の都道府県はまだ個別の通知はしていない、青森県でも今のところ考えていないということではあるんですけれども、都道府県によって救済される人とそうでない人が生まれている。
地域間で格差があるというのは不平等というか、やっぱりおかしいことだと思うんですよ。
対象の本人たちが知らなければ、申請につながらないんです。
パンフレットを置いています、あとは何とか(自分で)、といっても、届かなければ意味がないんですね。
刻々と期限が迫っているわけです。
残り5年を切って、4年半ぐらいですか。やみくもに対象者の方を手探りでこれから見つけていくというわけではなくて、県で調査した記録というのは残っているわけですよ。
いろいろ困難はあるとは思いますけれども、決して対象者に個別通知をすることができないというわけではないと思うんです。
実際に、鳥取、兵庫、岐阜、山形の4県で通知が実施されているわけです。
60名ちょっとのうち、どれぐらいまだ存命されているか分かりませんが、青森県でもほかの県を参考例にして、個別通知を行うべきではないかと思うんですが、改めて見解を伺いたいと思います。
回答:和田こどもみらい課長
- 先ほどの答弁でも申し上げましたが、平成31年4月24日付の厚生労働省の通知におきまして、一律に当該者に一時金の支給対象となり得る旨を個別に通知することは慎重になるべきである、また、各都道府県におかれては、個別の通知を行わずとも、支給対象となり得る者に情報が届くよう、様々な機会を捉えて積極的に周知、広報を行っていただきたいと通知がなされておりますので、この通知に従って、我々は周知に努めていくところでございます。
プライバシーのことも確かにあります。
いろいろ問題はあるんですけれども、実際に今までのやり方をやって、残り60名ほどいらっしゃるわけです。
今後もパンフレットの設置以外にも、仮に個別通知が難しいとしたら、ほかにもいろいろやり方はあると思うんです。
私も今、ぱっと思い浮かばないんですけれども、何とかして対象者の方々に期限までに申請してもらえるように、そういったやり方などを模索していただければと思います。
何とか届くようにお願いしたいと思います。
私からの質問を終わります。
参考サイト
旧優生保護法 新たな補償を周知へ特設サイト開設 こども家庭庁/NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241213/k10014667031000.html
旧優生保護法補償金等に係る特設ホームページ/こども家庭庁
https://www.cfa.go.jp/kyuyusei-hoshokin
旧優生保護法が教えること/東京都人権啓発センター
https://www.tokyo-jinken.or.jp/site/tokyojinken/tj-95-feature.html

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