公益財団法人青森県育英奨学会が運営する青森県学生寮についての質問【令和5年12月文教公安委員会】

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公益財団法人青森県育英奨学会が運営する青森県学生寮について

 おはようございます。新政未来の小笠原です。

 私からは、公益財団法人青森県育英奨学会が運営する青森県学生寮についての質問をしたいと思います。

 12月になって、推薦の合格とかも決まって、春からの大学生活に向けて新しい家を探していく時期だと思います。
 年が明けたら、どんどん大学入試も本格化してきて、住居を決めていく状況になってくると思います。

 今、東京の小平市に青森県学生寮があると。
 私の友人も小平市の学生寮に入っていた記憶があるんですけど、私は入学後に知ったのですが、大学生だった当時、早めに知っていたら検討できたのにと思った記憶がございます。

【質問①】青森県学生寮の設立経緯及び過去3年間の入寮者の推移について伺いたい。

 青森県学生寮の設立経緯と、過去3年間の入寮者の推移についてお伺いしたいと思います。

回答:吉川教職員課長
  • 東京都小平市にある青森県学生寮は、国から払下げを受けた旧陸軍経理学校の土地、建物を利用して、昭和31年に設置されたものです。
  • その後、昭和54年からは、東京近郊の大学等に在学する本県出身学生の生活の基盤を確保するとともに、共同生活を通してお互いが切磋琢磨し、優れた人材を育成することを目的として、青森県育英奨学会が管理運営を行っており、建物については青森県育英奨学会が昭和56年に建て替えを行っています。
  • また、学生寮の定員は男子100名となっており、直近3年間の入寮者数については、令和3年度は54名、令和4年度は36名、令和5年度は33名となっております。


 本当に歴史がある学生寮だということが分かりました。

 ただ、入寮者は、令和3年が54名で、定員が100名なので約半数ぐらい。
 そして令和4年、令和5年、やっぱりコロナの影響もいろいろあったと思いますけれども、30名台だということで、3分の1くらいになっている。
 すごくもったいないなと思います。

 県人寮のホームページをちょっと確認したのですけれども、月額3万円、入寮費は年3万円、給食費も年10万円などで、本当に破格だと思います。

 ちなみに、ホームページにも書いてあるのですけれども、学生寮で年間どれぐらい金額がかかるのかというのを今、分かるでしょうか。

回答:吉川教職員課長
  • 今、委員からお話がありました入寮費3万円と寮費月額3万円、そのほか別料金となりまして電気料が実費となります。なお、食費につきましては1食450円となっておりまして、月約1万円かかっているという状況です。


 やっぱり破格だと思います。

 ちなみに、全国大学生協連というところで、昨年度、学生生活の実態調査をしたときに、学生が生活費にどれくらいお金を使っているかというので、平均が12万4,290円だったと。
 大体12万円ぐらいですね。
 全国でそうなので、東京だと、多分、プラス1、2万円くらい、もうちょっと高くなると思います。
 内訳を見ると、仕送りが6万7,650円、7万円くらいで、奨学金で2万円くらい賄って、バイトで3万円くらい賄って、それで大体12万円くらい。

 住居費の平均が5万3,000円。
 不動産会社のホームページなどを見たのですけれども、東京だとワンルームや1Kの平均が7万6,000円ですね。
 青森市だと3.5万円で半分以下になるのですけれども。

 さらに食費がかかって、月2万4,000円。
 年間の生活費は、当たり前に暮らして、多分抑えたとしても、やっぱり100万円くらい普通にかかってしまう。
 東京だと、120万とか140万円とか、かかってしまうと思います。

 それが、県人寮だと、先ほど言ったように、月額3万円、入寮費が年3万円、食費なども月1万円ぐらいで、年に10万、11万円くらいで。
 電気代とかの実費をいろいろ含めたとしても、大体、年5、60万円くらいになる計算だと思います。
 普通の生活費より半額ぐらいになる。

【質問②】入寮者を確保するためには、本県の高校生等への周知が重要と考えるが、どのように周知しているのか伺いたい。

 ただ、今、入寮者が3分の1ぐらいになっている。
 この状況だと、経営していく、維持していくのもなかなか難しい状況だと思うんですね。
 今、個人の時代で、1人で暮らしたいという人もいると思いますから、寮とか合わない時代かもしれません。
 それでも、この安さというのはすごく魅力的だと思うので、もっともっと周知していくことが必要だと思います。

 そこで質問ですが、入寮者をさらに確保していくために、青森県学生寮の存在を本県の高校生などにもっともっと周知していくことが重要であると思いますが、どのように周知しているのかお伺いします。

回答:吉川教職員課長
  • 青森県育英奨学会では、これまで高校への募集要項及びパンフレットの送付、県民だよりや教育広報への掲載、職員による学校訪問等を行い、周知を図ってきたところです。


 周知しているということではありましたが、やっぱり知らない人が多いという状況が現在の入寮者数につながっていると思います。
 この安さを鑑みると、もっともっと入寮したいという人がいると思うんですよ。
 ホームページを見ると、4年間とか6年間ずっといなきゃいけないわけでもなくて、例えば1年だけでもいいと書いてありますし、途中で引っ越すことも可能。
 もし差し当たってすぐに住居が決まっていなくても、ここに一旦入って、その後、引っ越すことも可能だと書いていますし、そういういろいろな条件のよさとかもあるので、本当に魅力的なはずなんですね。
 パンフレットなども作られていると思うので、もっともっと学生に周知していけるように、教育委員会のほうで今後努力していただければと思います。

【質問③】青森県学生寮への女子学生受け入れについて、どのように考えるか伺いたい。

 そして、この青森県学生寮ですけれども、今現在、男子寮だと思うんですね。
 今、女性の進学率もどんどん高まっている中で、女子学生をもっと積極的に受け入れていくようなことも、本来なら必要ではないかと思います。
 青森県学生寮への女子学生の受入れについて、どのように考えているかお伺いします。

回答:吉川教職員課長
  • 青森県育英奨学会では、これまでも女子学生の受入れについて検討を行ってきたところですが、女子の入寮を可能とするためには、女子専用の浴室、トイレ、洗面所などの整備が必要となるほか、男女が共同で生活することに伴う対応など、多額の追加的投資が不可欠となります。
  • また、学生のライフスタイルの変化等により共同生活が敬遠される傾向にあることなどから、現状では難しいものと考えております。


 設備などがなかなか整っていないという状況もあって、女子学生の受入れは現時点ではなかなか難しいという答弁でしたけれども。
 山形県の例なのですけれども、県人寮が何軒かあって、そのうちの1つはもともと女子寮だったみたいなのです。
 そこが今、男女共用になって、男女のフロアを分けているわけではないみたいなのです。
 浴場も1か所しかないみたいなのですけれども、女子入浴中という札をかけていたり、男子入浴中という札をかけていたり、そういったちょっとした工夫で男女共用にしていると。
 女性も入れるのですごく人気で、入寮者もいつも定員いっぱいの状況だと、そういったネットの記事もあったんですけれども。

 設備が整っていないからということだけが理由にはならないと思います。
 ある程度、いろいろな工夫ができると思うので。
お金がいろいろかかってしまうこと自体は、やっぱり考えていかないといけないと思いますけれども。
 でも、ちょっとした工夫で何か改善ができるのであれば、それはぜひ検討していただきたいと思います。

 全国学生寮協議会に加盟している、いわゆる県人寮41寮で、女子学生が入れる寮があるか、私のほうでちょっと調べてみたんですけど、41寮あるうち15寮です。
 岩手、山形、新潟、群馬、栃木、岐阜、富山、滋賀、鳥取、島根、香川、福岡、熊本、佐賀、沖縄で計15。
 2027年には宮崎のほうでも女性寮を新たに造るということで、現時点で4割弱ですけれども、男子学生のみというのはすごく不平等な状況だと思います。

 男子学生、女子学生、半分くらいずつ進学していると思いますが、その中でせっかく県人寮があるのに、女性が男子寮だから入ることができないというのは、今、本当に物価も高くなっている中で、不平等なことだと思います。
 それこそ、東京のほうに進学すると、お金がかかって、親御さんたちも本当に大変だと思います。
 公立の学費も年60万円、私立だと140万円、そこにさらに生活費もかかって、本当に大変だと思います。
 これが青森県の教育委員会の施策によって、ちょっとでも軽減できるのであれば、青森県出身の学生さんにとってもすごく助けになると思うので、今後、入寮者をより増やしていくためにも、女子の受入れも検討していただければと思います。

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