密漁防止対策についての質問【令和5年9月文教公安委員会】

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密漁防止対策について

 私からは海、密漁防止対策について質問したいと思います。

 三方を海に囲まれた青森県、本県は水産資源が豊かで、独自のブランドを掲げている漁協もあります。
 全国、そして海外にも自信を持って、これは青森県の海産物なのだとお勧めできます。
 漁業で生計を立てている家庭は県内各地にいらっしゃって、漁業というのは青森県を支えている産業であることは言うまでもありません。

 しかし、県内各地では、ナマコ、アワビなど、密漁が後を絶たないと聞いています。
 そしてまた、この密漁が暴力団の資金源になっていくといった話も聞きます。

 先月8月には、平内町でアワビの密漁がありました。
 海上保安官を突き飛ばすようなことがあったと聞いています。

 そして、昨年、蓬田村であったナマコの密漁、そして今月、9月6日に4人摘発されたといったニュースもありました。
 こちらは暴力団との関係があったということが明らかになったと報道されています。
 そういったことを受けて、先月、蓬田村では社団法人と協定を結んで、ドローン活用して密漁対策を強化していくといった発表がありました。

 大切に育てた海産物が密漁によって奪われてしまう。
 真面目に生活している私たちが悔しい思いをするわけです。 
 そして、もちろん、漁業者の方々は自分が大切に育てたものを奪われるものですから、密漁というのは、もろに生活にも直結する悪質な案件、事案でございます。

【質問①】最近3年間の青森県における密漁の検挙状況とその特徴について伺いたい。

 密漁に関して、1点目、質問したいと思います。
 最近3年間の青森県における密漁の検挙状況、また、特徴について伺います。

回答:斉藤生活安全部長
  • 最近3年間の県警察における密漁事犯の検挙状況につきましては、令和2年中は2件2人、令和3年中は5件6人、令和4年中は1件6人を検挙しております。

  • 主な特徴としまして、
    • 発生場所については海域での発生が4件を占め、次いで河川、湖がそれぞれに1件ずつ。
    • 密漁対象物については、ナマコ、シジミ、サケがそれぞれ2件ずつ、次いでアワビ、スズキがそれぞれ1件ずつ。
    • 採捕の方法については、アワビ、ナマコは主に素手での採取、シジミはじょれんという道具を用いて砂ごとすくっての採取、サケは針を利用した引っかけ漁法となっております。


【質問②】昨年中の青森県における密漁の検挙事例について伺いたい。

 次に、2点目として、昨年中の青森県における密漁の検挙事例について伺います。

回答:斉藤生活安全部長
  • 昨年中の検挙事例といたしまして、4月に発生した陸奥湾内での組織的な大量ナマコ密漁事件が挙げられます。
    • この事件では、青森海上保安部と合同により、指定暴力団六代目山口組系組員ら3人を蓬田漁港近海においてナマコを密漁していたとして、漁業法違反で現行犯逮捕するとともに、その後も共犯者の割り出しに努め、現在まで12人を逮捕しているところです。
    • 押収したナマコの量は約308キログラムで、当時の取引相場から換算すると、約145万円相当となります。

    • この事件は、事案の全容解明に向け、現在も鋭意捜査中であります。

 12人逮捕され、この後もまたまた増えていくかもしれませんし、暴力団とつながっているということで、今回はたまたま見つかりましたけれども、本当に氷山の一角というか、まだまだ見つかってない、こっそりやっている案件、密漁というのはたくさんあると思うんです。

【質問③】県警察における密漁防止への取組について伺いたい。

 そういったものを防いでいくためにも、3点目として、密漁防止のために県警察が今、どういった取組をしているのか、その状況についてお伺いします。

回答:斉藤生活安全部長
  • 密漁を防止するための県警察の取組としましては、
    • 警察署員による海岸沿い等におけるパトロール、
    • 警察用船舶「みちのく」による沿岸パトロール、
    • 警察航空機「はくちょう」による上空からのパトロールを実施しているほか、
    • 漁業関係者、県農林水産部水産局、青森海上保安部との密漁取締り合同訓練、
    • 県農林水産部水産局、各漁業協同組合、青森海上保安部との合同による夜間パトロール、
    • 県の漁業取締船の船舶職員との合同研修会、を実施しております。

 先日、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受けて、中国が日本の水産物、海産物などの全面禁輸に踏み切っている状況です。
 全面禁輸、いつまで続くのか見通しがつかない状況で、ただでさえ今、漁業者が苦しい状況の中で、さらにまた密漁で苦しむということは本当にあってはならないことだと思います。
 警察の人々のみでは密漁防止していくというのはなかなか難しいことだと思いますので、海上保安庁であったり、漁協であったり、様々な関係機関との連携をさらに強化していって、漁業者が苦しむことのないように、一層の密漁防止への取組をお願いしたいと思います。

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