動物虐待への対応等についての質問【令和5年11月文教公安委員会】
動物虐待への対応等について
私からは、動物虐待への対応について質問させていただければと思います。
近年、悪質な動物の虐待に関する事件が本当に後を絶たないと。
先月、10月に、三沢署のほうで、陸上自衛隊の方が猫2匹を水に沈めたという事件がありました。
その2匹の猫は、結局亡くなってしまったんです。
そして、昨年の春先だったと思います、青森市で飼っていた柴犬の腹部を刃物で刺して、しかも臓器をはさみで切り取ってという、本当におぞましい事件があったんですね。
どんなに怖かっただろうし、痛かったろう。動物は物を言えないですから。
でも、そういう事件が後を絶たないと。
令和2年に動物の愛護及び管理に関する法律、いわゆる動物愛護管理法で罰則が強化されてから検挙件数が増加傾向になっているということでありますけれども、昨年は全国的にも過去2番目に数が多かったと。
2021年、170件あって、199人が逮捕された。
2022年は166件で180何人が逮捕、検挙されたという状況であります。
ペットは本当に家族ですよね。
私もプードルを飼っているんですけれども、心を和ませてくれたり、楽しませてくれたりする。
飼育するというか、家族として一緒に過ごしているペット、それを飼い主の身勝手な理由で暴力を振るう、そして保護責任があるはずなのに遺棄、放置をする。虐待する、殺傷する、そういったことが全国的にも増えていると聞いています。
【質問①】最近3年間及び本年における動物虐待の検挙件数と人員について伺いたい。
動物虐待に関する施策というのは、本来は知事部局の所管ではあるのかもしれませんけれども、青森県警においても、県内で動物虐待を認知したときにどういった対応をしているのか、そういったことをお聞きしようと思います。
まず1つ目に、近年3年間、そしてまた今年において、本県での動物虐待の検挙件数、また、人員に関してお伺いします。
回答:斉藤生活安全部長
- 最近3年間における動物虐待事犯の検挙状況につきましては、
- 令和2年中及び3年中はゼロ件、ゼロ人、
- 令和4年中は3件、3人、
- そして本年10月末現在で3件、3人を検挙しております。
令和2年と令和3年は件数としてはゼロであった、令和4年と令和5年は、共に3人逮捕されているんですが、そんなに多くないというイメージがあるかもしれないんですけれども、実際に見えていないような、通報されないような懸案というのは、まだまだ本来はあると思うんですね。
こういった部分というのをもっと可視化できるような形というのが本来望ましいと思うんですけれども。
【質問②】本県の動物虐待に関する主な検挙事例について伺いたい。
次に、本県で起きた動物虐待に関する主な検挙事例などをお伺いできればと思います。
回答:斉藤生活安全部長
- 主な検挙事例といたしまして、昨年3月に発生した犬の殺傷事件が挙げられます。
- 本件は、知人関係にあった男女による犯行で、男性が飼い犬の腹部を包丁で刺し、女性が同じ犬の臓器の一部をはさみで切って傷つけたもので、両名をそれぞれ単独犯として、動物の愛護及び管理に関する法律違反の殺傷の事実で通常逮捕したものとなります。
- 処分結果は、男性が20万円の罰金、女性が10万円の罰金となっております。
先ほど私も触れた事例があったということなんですけれども、犬が残虐な仕方で亡くなってしまった。
でも、人ではない、それは犬だから、猫だから、罰金10万円とか20万円とか、罰金刑で済んでしまうというのも、本当にこれってどうなんだろうなと思うわけですよ。
命を奪っているわけですよ。
しかも、臓器を切り取るみたいな、尋常じゃないやり方ですよね。
私たちも動物虐待するのは立派な犯罪であるということをきちんと知らしめていくことも必要なんだろうなと思います。
本来ならば、罰則とかも、もっと国のほうで厳しくしていく必要があると思うんですけれども。
【質問③】動物虐待を抑止するには県の関係部局との連携が必要不可欠と考えるが、県警察と県担当課との連携状況について伺いたい。
こういった動物虐待なんですけれども、こういった事案を把握していくにも、警察だけだとやっぱり難しいと思うんです。
県の関係部局、知事部局との連携も必要不可欠になってくると思うんです。
そうしたときに、県警と知事部局、県の担当課ときちんと連携が取れているのか、連携の状況などはどうなのかお伺いできればと思います。
回答:斉藤生活安全部長
- 県警察では、令和4年3月に環境省が発行した動物虐待等に関する対応ガイドラインに基づき、県の動物愛護管理担当課と連携を図っております。具体的には、
- 1つは動物愛護週間における広報啓発活動、
- 1つは動物虐待相談の情報共有、
- 1つは行政の指導等によっても、なお改善の余地が認められない場合の事件化、
- 1つは警察が捜査過程で保護した愛護動物の一時保管措置、などを行っております。
- 警察では、悪質な事案には迅速な調査を行い、法と証拠に基づいた厳正な対処に努めているところであり、引き続き動物の愛護に関する行政的な権限や専門的な能力を有する自治体、関係機関、団体との連携を密にしながら進めていくこととしております。
今、関係部局、知事部局のほうとも連携を取りながらという答弁でありました。
動物がかわいそうだから、もちろん、それもあるんです。
当たり前に動物も人間と同じく生きているので、それを虐待する、暴力を振るう、あってはならないことなんですけれども。
それだけではなくて、この動物虐待の矛先というのが人間に向く可能性というのも当たり前にあると。
連続殺人犯が動物虐待をしていた、そういった例もあります。
実際に大学とかの研究でも、動物の虐待と対人暴力の連動性というのも研究されて、密接な関係があると、そういった研究も出ています。
動物虐待する人は、精神疾患を抱えている場合が多いということもあったりします。
例えば、多頭飼育崩壊もそうですね。
そういった部分も、例えば知事部局、福祉の部局とも連携しながら対応していく。
もちろん、犯罪は犯罪として対応していくことはそうですし、動物をペットとして飼っている方が何か精神的な疾患を抱えているような場合とかも、それを放置しないで、きちんとしかるべき部署につなげてあげるということも必要になってくると思います。
動物だからとないがしろにするのではなくて、切実な問題であると思います。
先ほど件数としては数件というのがありましたけれども、これもやっぱり目に見えていない部分が多々あると思います。
本当に氷山の一角であると思うので、今後とも知事部局のほうともきちんと連携を取りながら、そして通報などがあった場合にも素早い対応などをして、未然に防げるような態勢を青森県警のほうには取っていただければと思います。
以上で質問を終わります。
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