熊による人的被害を防止するための対策についての質問【令和5年12月文教公安委員会】

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熊による人的被害を防止するための対策について

 新政未来の小笠原です。私からは熊による人的被害を防止するための対策について質問いたします。

 今、熊がたくさん出没していると、連日、テレビニュース、新聞、いろいろな報道で見かけます。

 先日、環境省のほうで、今年度の被害状況の発表がありました。
 4月から11月末で212人の被害が出ている。
 これも過去最高で、死者も6人出てしまっている。
 秋田県75人、岩手県45人と、東北のほうで7割ぐらいを占めている状況で、青森県でも過去5年間の出没件数が最大になっている、そういった報告もあって、これも現在更新しているという状況です。

 普段いるはずのない住宅街にも熊が出没してしまうような状況で、住民がけがを負ってしまう、そういった事案が全国で発生していて、その中で命を落としてしまう方もいらっしゃる。
 熊が人の住んでいるところに現れてしまうということは、いろいろな要因もあると思います。
 熊の餌であったり、ブナの実が不作になってしまったり、境目がどんどんなくなってきているような状況があり、本当にいろいろな要因があると思いますけれども、各自治体でいろいろな熊駆除の対策を講じているという話もありますが、それでも人的被害に対する報道というのが後を絶たない状況で、なかなか収まる気配もないです。

【質問①】県民から熊の目撃通報があった場合、警察ではどのような対応を執っているのか伺いたい。

 熊による人的被害を防止していくためにも、自治体や警察など関係機関が緊密に連携を図って、実効性のある対策を講じてもらいたいと思いますけれども、まず、県民から警察のほうに熊の目撃通報などがあった場合、警察ではどのような対応をしているのか伺います。

回答:斉藤生活安全部長
  • 県民から熊の目撃通報があった場合、
    • 人的・物的被害の危険性や道路障害の可能性等から現場臨場の必要性を判断し、
    • 必要性がある場合には速やかに警察官を現場に派遣し、現場付近における広報、警戒活動、避難誘導等の初動対応を行うとともに、
    • 目撃者等からの詳細情報の収集、関係市町村に対する迅速な情報提供、関係市町村に対する防災無線、マスコミ、SNS等を活用した広報活動の申入れ、
    • 必要に応じ市町村の有害鳥獣担当課に対する緊急捕獲を行うよう申入れ、
    • さらには現場が住宅街等で銃猟が禁止されているなど、
    • 他に適当な手段がない場合は、警察官職務執行法第4条第1項を根拠とした危害防止のためのハンターに命令しての銃猟による駆除などを行うこととなります。

【質問②】本年中、熊の目撃通報により警察が対応した主な事例について伺いたい。

 今年に入ってから、熊の目撃通報によって県警のほうで対応した主な事例などを教えていただければと思います。

回答:斉藤生活安全部長
  • 主な事例といたしましては、
    • 1つは、本年7月28日、弘前市大字小沢に所在するネギ畑において、70歳代の男性が作業していたところ、後方から現れた熊に突然襲われ、右耳と左手首を負傷した事例、
    • もう1つは、本年9月25日、黒石市大字南中野に所在するリンゴ畑において、60歳代の女性2人が休憩していたところ、道路を挟んだ向かい側から突進してきた熊に襲われ、それぞれ頭部などを負傷した事例があり、
    • 警察では現場付近における広報、警戒活動等を実施いたしましたが、2つの事例とも、熊の発見、捕獲には至りませんでした。

【質問③】住宅街等に熊が現れた際は、警察や関係機関が連携し、迅速に対応
する必要があると考えるが、そのための取組について伺いたい。

 今、答弁いただいた2件では熊を発見することができなかったということで、警察だけではなかなか発見したり、対処したりすることが難しいと思います。
 住宅街などに熊が現れたときに、警察や関係機関が連携して迅速に対応していく必要があると思いますが、そういった取組についてお伺いいたします。

回答:斉藤生活安全部長
  • 住宅街等に熊が現れた際に、人身被害の防止を図るため、
    • 平素から各警察署と市町村の有害鳥獣担当課と熊の出没状況やスムーズな捕獲許可のための情報共有及び意見交換、
    • そして猟友会主催会議に出席した際、熊を銃猟駆除する場合の注意事項等についての情報共有及び意見交換を行っているほか、
    • 本年10月には、岩木山総合運動公園において、弘前市及び猟友会中弘支部と合同で、住宅街における熊出没時対応合同訓練を実施して、熊出没から駆除までの一連の対応について、図上、実地訓練を行い、実際の対応方法について研さん、習得を図ったところであります。


 10月に一緒に訓練なども行われたということですが、ちなみになんですけれども、今までも毎年訓練が行われているのでしょうか。

回答:斉藤生活安全部長
  • 実地訓練につきましては本年初めて実施したところであります。


 実地訓練は今年初めてということですが、今後も熊が出没してしまって、そして被害が増えていくということも想定されると思います。
 今後も継続して訓練を続けていっていただきたいと思います。

 決して熊だけが悪いわけではない、本当にいろいろな要因があって、熊が出没してしまって被害が出ているんですけれども、市民の皆さんも不安ですし、警察の皆さんを頼りにしていると思うんです。
 そういったときに迅速に対応していただけるような体制を整えて、少しでも被害を防いでいただければと思います。

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