一般質問【令和5年7月第314回定例会】
質問に先立って
一般質問に先立ち、今年4月に行われた第20回青森県議会議員選挙において、私、小笠原大佑に託していただいた県民の皆様へ心より感謝を申し上げます。
議長のお許しをいただき、所感を述べさせていただいた上で、質問に入ります。
私は、前職は会社員でした。家族や親戚に議員がいたということもなく、普通の人です。青森を離れてみたくて、大学での進学を機に、一度東京へ行きました。東京はきらきらしていて、何でもあって、刺激的で楽しかった。けれども、東京で過ごしている中で、何で東京ばっかりこんなにきらびやかなんだろうなと感じました。だんだんと悔しさであったり、憤りが募りました。青森は寂しいばっかりだ、何だか東京へ奪われているのではないかと思った。
そんな悶々とした思いの中、2011年に東日本大震災が起こりました。
この出来事が私の中での転機となったと思っています。
ずっと東北が、青森が虐げられている。
これでいいんだろうかと。
そして、少しずつでも自分が青森をよい方向へ変えられる力になれればと思って、青森に戻って就職しました。
でも、やっぱり政治の力で青森を引き上げていくことが必要なのではないか、また、若い声を届けてこそ活力が生まれるのだ、活力あるところに人も集まる、物事も生まれるのだと思い、未来の青森を考えたときに、今ここで立ち上がらねばならないと決意しました。
この青森で誰もが当たり前に安心して生きていくことができるように、今は県外にいたとしても、いつでも戻ってこられるような土壌をつくらなければいけない。
ずっとその思いを持ち続けてきました。
それは今も変わりません。
県民の皆様の声を届ける代弁者として、ようやくスタートラインに立つことができました。
よりよい青森をみんなと共につくっていく。
34歳の若造ですが、青森の未来をつないでいくために職責を全うしたいと思います。
青森の課題に真っすぐ当たっていく、穴を開けていく、今ここから未来をつくっていく。
どうぞ何とぞよろしくお願いいたします。
性的マイノリティーに関する県の取組について
先月、国会にて、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律、通称LGBT法が成立、施行されました。
今まで性的マイノリティーの人権を保障する法の後ろ盾がゼロだったものが、ゼロでなくなった。
まだまだ議論を尽くされなければいけませんが、一歩前進にはなった。
そもそも、マイノリティー、少数派であるというだけで、それは別におかしなことでも何でもない。
異常であったりとか、病気だというわけでは全くないのにもかかわらず、踏みにじられてきた。
それが変わったのです。
しかし、この法律により、男女の区別がある施設などの利用基準が変わるのだとの誤解もあったりします。
理念法であるLGBT法であり、男性と女性が区別されている施設の利用基準が変わる、変えなければならないというものではありません。
性自認、自身の性をどう思っているかだけで施設の利用が決まるわけではありません。
にもかかわらず、トランスジェンダーと女性の権利が対立するような主張、例えば、身体的性は男性だけれども、心が女性だから女性トイレを使うんだ、女風呂に入るんだという人が多発するのではないか、それを認めなければいけないんじゃないか、そういった主張があります。
しかし、これは単に女性に偽装をする男性であり、犯罪行為を犯そうとする人です。
トランスジェンダー女性ではありません。人権と犯罪が一緒くたになった議論が行われています。
逆に、身体的には女性だけれども、心が男性だから男子トイレを使う、男風呂に入る、そういったトランスジェンダー男性の問題があるといった議論は、ほぼ聞かれません。
今週の11日月曜に、経済産業省が性同一性障害職員の女性のトイレ使用を制限した問題で違憲判決が出ました。
この方は、幼少の頃から身体と心の性が一致していないという違和感を持ってずっと治療を受けてきたといった経緯があります。
多様性のある社会は、誰もが当たり前に生きられる社会です。
しかし、多様性を認めることは何でもあり、そういったわけではありません。
何でもありで許されるというわけではなく、多様性を妨げてしまうような主張は、多様性そのものを滅ぼしてしまいます。不寛容に対しては寛容であってはならないのです。
【質問①】 性的マイノリティーに関する県の主な取組について伺いたい。
回答:環境生活部長(館 栄)
- 令和4年に県が策定した第5次あおもり男女共同参画プランでは、重点目標の一つに、男女共同参画の視点に立った貧困等生活上の困難に対する支援と多様性を尊重する環境の整備を掲げています。この中の施策として、性の多様な在り方に対する理解の促進に取り組んでいるところです。
- 具体的な取組としては、県民の性的マイノリティーについての理解を促進するため、これまで、県のラジオ広報番組と毎戸配布の広報紙等により普及啓発を行ってきたほか、今年度は、これに加えてパンフレットを作成し、市町村等を通じて配布することとしています。
- 行政職員の理解を促進するため、県や市町村の職員を対象とした研修会を開催しています。
- さらに、青森県パートナーシップ宣誓制度を令和4年2月に東北の県として初めて創設しました。この制度は、全ての人が性別に関わりなく個人として尊重され、自分らしく生きることができる青森県を目指し、一方または双方が性的マイノリティーである二人が、お互いを人生のパートナーであると宣誓した場合に県が受領証を交付するもので、本年6月末までに5組の方々が宣誓しています。
【質問②】青森県パートナーシップ宣誓制度の充実を図るための取組と今後の方針について伺いたい。
回答:環境生活部長(館 栄)
- 本制度については、宣誓を希望される方々の利便性向上のため、令和5年2月に、オンラインで本人確認することで来庁せずに手続ができるよう、制度を改正したところです。
- また、宣誓を行った方々が受けられる行政サービスは、現在、県立中央病院や一部の市町村の公立病院等での患者本人の意思が確認できない場合の治療や検査の同意、患者の診療情報の提供、県営住宅や一部の市町村の公営住宅への入居申込みなどとなっています。
- 今後も、行政サービスのさらなる拡充に向けて、制度を導入している他自治体の取組状況について情報収集を行いながら、庁内関係部局における検討や市町村への働きかけを行うこととしています。
- さらに、民間企業や医療機関等への働きかけを行うなど、制度のより一層の充実を図っていきたいと考えています。
【再質問】今後様々な取組を検討していくにあたり、性的マイノリティの割合などの現状把握に努めるべきと考えるが、県の見解について伺いたい。
青森県は、東北で初めてパートナーシップ制度を導入しましたし、これからも積極的に性的マイノリティーの方々に向けた施策を実施してほしいと思っております。
再質問です。今後、性的マイノリティーの方々に対し、様々な取組を検討、実施していくに当たって、性的マイノリティーの当事者が一体どれくらいの割合がいるのか、そういった現状を調査して把握していくことに努めるべきだと思うのですが、県の見解を伺います。
回答:環境生活部長(館 栄)
- 県では、県内の性的マイノリティーの割合について調査を行ったことはありませんが、民間の調査では、国内の性的マイノリティーの割合は約1割という結果もあります。
- 先般、成立、施行された性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律では、国が基本計画を策定しなければならないこと、また、必要な研究を国が推進することが定められたことから、県としては、具体的な現状の把握については、まずは国による適切な対応がなされるものと認識しており、今後の国の動向を注視してまいります。
障害者施策の推進に関して
身体障害を持っていても、精神障害を持っていても、どんな障害を持ち合わせていたとしても当たり前に生きていくことができる、自分の住む町にアクセスができる、そんな社会が望ましいと私は考えます。
私ごととなるのですが、私のおじさんが足が悪くて、障害を持っています。
車に乗ることはできるんですけれども、やはり乗り降りだったり、降りた後、ドアまで歩くのがいつも大変である、そう言います。
そして、店舗などを利用するときに優先駐車場に車を止めようとした。
でも、既にその優先駐車場には何のマークもついていない車が止まっていた。もう使えない状態だと。
これは、多分私のおじさんに限った話ではなく、よくある話なんだと思います。
本来、利用すべき人が利用できないという状況を防いでいく、そして、安心してこの町、この青森で過ごすことができるようにすべきです。
例えば、歩行が難しい人がきちんと優先駐車場を利用できるため、利用者証交付制度であるパーキングパーミット、こちらは、お隣岩手では導入されています。
青森県でも積極的にこのような制度などを整えていくことが必要ではないでしょうか。
【質問①】第4次障害者計画を踏まえ、県は今後障害者施策にどのように取り組んでいくのか伺いたい。
回答:知事(宮下宗一郎)
- 私は、「すべての人たちがやさしさにつつまれながら豊かな生活を送ることができる地域社会。多様性を認め合い、差別のない、あたたかな「あおもり新共生社会」を目指す」ことを公約とし、その実現に向けて取り組むこととしております。
- 県の障害者施策を推進するための指針となる第4次青森県障害者計画においても、「住み慣れた地域で、障害のある人もない人も分け隔てられることなく相互に人格と個性を尊重し、ともに暮らせる共生社会づくりをめざす」との基本理念の下、各取組を推進しているところです。
- 今後は、特に障害者のアクセシビリティーの向上と多様なコミュニケーション手段の充実、災害時支援の推進、医療的ケア児とその家族の状況に応じた適切な支援を積極的に進めるなど、あおもり新共生社会の実現に向け、各種の取組を行ってまいります。
【質問②】福祉のまちづくりを進めていく上で、障害者用駐車場の適正利用を推進していくべきと考えるが、県の見解を伺いたい。
回答:健康福祉部長(永田 翔)
- 県は、令和5年3月に策定した第4次青森県障害者計画において、生活環境の充実に向けた施策の一つとして福祉のまちづくりの推進を掲げ、青森県福祉のまちづくり条例を基本に、全ての県民が安心して暮らし、積極的に社会参加できる障壁のない生活環境の整備促進を図っているところです。
- その一環として、毎月、ラジオによる広報を通じ、障害者等のための駐車場の適正利用を県民に呼びかけるとともに、出前トークなどで職員が福祉のまちづくりの推進について、直接説明に出向くこととしています。
- また、他県では、障害者、妊産婦、高齢者等に対する駐車スペースの適正な利用を図る取組が進められているところであり、県としても、この取組の課題やその対策を整理するなど、今後、検討を行っていきます。
動物愛護管理対策について
誰もが当たり前に生きられる社会とは、人間だけを指すのではありません。
この世界に生きている動物たちも当てはまります。
県での犬、猫たちの致死処分の数は、年々減少しています。
愛護センターの資料ですと、令和元年では計666頭、それが令和3年には414頭、そういった資料がありました。
過去の議事録を確認しましたら、平成18年度は、犬、猫の致死処分数が3300頭以上あったようなので、この15年ほどで大きく改善されていると考えられます。
しかし、一方で、保護猫活動をされている愛護団体の方たち、ボランティアの方々からお話を伺うと、猫の多頭飼育崩壊の問題が全く解決できていないとおっしゃいます。
その方々は、自分たちの身銭を切りながら、それでも命を救うために日々活動していらっしゃる。
愛護センターでの引取りは減少しているのかもしれないが、多頭飼育で崩壊している現場がたくさんあるとのことです。
多頭飼育は、気づいたときには悲惨な状況になっていることが多く、何十頭もいる、かつ感染症などにかかってしまっている、瀕死の状態である、そういったことが起きています。
動物も当たり前に生きていける、そんな青森をつくらねばなりません。
【質問①】 犬や猫等の不適切な多頭飼育問題に対する県の取組について伺いたい。
回答:健康福祉部長(永田 翔)
- 飼育している犬や猫などが増え過ぎてしまうことで、周辺環境等に大きな影響を与えるという不適切な多頭飼育に起因する問題が本県においても発生しています。
- 県では、青森県動物愛護センターを拠点として、不適切な多頭飼育を防止するため、飼い主等へのリーフレットの配布や各種広報により、屋内飼育や不妊去勢手術を呼びかけています。また、多頭飼育を行っている飼い主やその親族からの相談、または近隣住民からの苦情を受けた場合には、市町村の関係部局や動物愛護団体等と連携しながら、飼い主等に対して飼養状況の実態を調査し、適切な飼い方や飼育する動物を適正な頭数とすることを助言、指導するなど、不適切な多頭飼育による問題の発生防止と改善に向けて取り組んでいます。
続いて、広く県民に動物愛護思想を普及するための県の取組についてです。
県では、ペットの飼養管理に関する講習会や、問題のある飼い主への助言など、適切な飼養管理の啓発を行うとともに、動物愛護週間における動物愛護フェスティバルなどのイベントや、SNS、テレビ等を活用した広報、学校や保育所の子供たちに命の大切さを学んでもらう動物ふれあい活動等を通じて、動物愛護思想の普及に努めています。
また、近年は、動物愛護センターでの猫の致死処分頭数を減らすため、動物愛護ボランティアの協力を得ながら、生後間もない子猫の育成、譲渡や、飼い主のいない猫と地域の共生を目指す、いわゆる地域猫活動について、地域の合意形成を支援するなどの取組を行っています。
この結果、動物愛護センターを開設した平成十八年度と令和四年度を比較すると、放し飼いなどで捕獲される犬の頭数は千百三十四頭から百四十頭に、犬及び猫の致死処分頭数は三千三百四十八頭から四百三十七頭に大幅に減少するなどの効果が現れています。
県としては、今後も適切な飼養管理の啓発と動物愛護思想の普及に努めてまいります。
【質問②】人と動物が共生する社会を実現するためには、ペットの飼い主に適正な飼養管理を啓発することに加えて、広く県民に動物愛護思想を普及していくことが重要であると考えるが、県の取組状況について伺いたい。
回答:健康福祉部長(永田 翔)
- 県では、ペットの飼養管理に関する講習会や、問題のある飼い主への助言など、適切な飼養管理の啓発を行うとともに、動物愛護週間における動物愛護フェスティバルなどのイベントや、SNS、テレビ等を活用した広報、学校や保育所の子供たちに命の大切さを学んでもらう動物ふれあい活動等を通じて、動物愛護思想の普及に努めています。
- また、近年は、動物愛護センターでの猫の致死処分頭数を減らすため、動物愛護ボランティアの協力を得ながら、生後間もない子猫の育成、譲渡や、飼い主のいない猫と地域の共生を目指す、いわゆる地域猫活動について、地域の合意形成を支援するなどの取組を行っています。
- この結果、動物愛護センターを開設した平成18年度と令和4年度を比較すると、放し飼いなどで捕獲される犬の頭数は1304頭から140頭に、犬及び猫の致死処分頭数は3348頭から437頭に大幅に減少するなどの効果が現れています。
- 県としては、今後も適切な飼養管理の啓発と動物愛護思想の普及に努めてまいります。
【再質問】地域猫活動を推進していくためにも、より地域と連携していく、県の取組ももっともっと周知していくべきだと思うのですが、見解をお願いいたします。
動物愛護管理対策に関しての再質問を行います。
野良猫問題、猫の多頭飼育問題を防ぐためにも、一つの手段として地域猫活動は重要なものと考えます。しかし、地域猫活動は、文字どおり地域との連携は欠かせません。青森市や八戸市は中核市だから管轄外だといっても、やはり連携は欠かせないと思います。地域猫活動を推進していくために、県では昨年度から不妊去勢手術に関する費用を無料とした。これはかなり大きな取組だと思うんです。
しかし、この取組を知らない県民がかなりいるのではないか。私自身も、つい先日、愛護センターに行ったときに、そういった取組をしていることも初めて聞いた、分かったんですね。
それで、再質問なんですけれども、地域猫活動を推進していくためにも、より地域と連携していく、県の取組ももっともっと周知していくべきだと思うのですが、見解をお願いいたします。
回答:健康福祉部長(永田 翔)
- 県では、昨年度、青森県地域猫活動支援要領を制定し、地域猫活動に取り組む町内会などを支援しています。
- 具体的には、町内会などが取り組む地域猫活動について、地域の理解や合意の形成、不妊去勢手術の実施、適切な飼養管理に関する助言などの支援を行っています。この取組については、市町村の担当課、動物愛護団体等を通じ、県民に周知を図るとともに、動物愛護センターにおける各種イベントやホームページ、SNSなどで広報を行っているところであり、引き続き周知に努めてまいります。
青森県の畜産の振興について
青森といえば、マグロ、ホタテ、イカ、サバ、米、リンゴ、ニンニク、ナガイモ、ゴボウなどなど、ブランド化されているもの、生産量が多いものが漁業や農業分野ではいろいろと出てくるのですが、畜産はあまり印象に浮かばない。
乳牛、肉牛、豚肉、鶏肉、鶏卵など、青森県は生産量が中位、上位ではあったりするのですが、畜産振興という点では、もっともっと推進していくべきと考えます。
また、倉石牛、田子牛、十和田湖和牛など、おいしい青森県産和牛も生産されています。
けれども、県外となると、こちらも認知度がまだまだ低い状況であるのが現状ではないでしょうか。
これは非常にもったいないと思います。
しかし、逆にこれから市場が開拓可能であるという点では、チャンスでもあるのではないでしょうか。
【質問①】畜産業における担い手の確保に、県はどのように取り組んでいるのか伺いたい。
回答:知事(宮下宗一郎)
- 本県の畜産業は、畜産物の生産から加工、販売に至るまで多くの産業と結びついており、食料の供給のみならず、雇用の受皿としても重要な産業であると認識しています。
- しかしながら、法人経営が中心の養豚・養鶏分野においては労働力不足が、家族経営が中心の酪農や肉用牛分野においては後継者不足が深刻となっているほか、今般の物価高の影響を強く受けています。
- また、昨シーズンに多発した高病原性鳥インフルエンザや、北上している豚熱も本県畜産業にとってのリスクです。
- 私としては、こうした課題やリスクを業界と共に乗り越えていきたいと考えており、畜種ごとに関係団体との対話を通じて政策形成を進め、新たな農林畜水産業の振興策に盛り込んでまいります。
- また、畜産業は、国の手厚いセーフティーネット措置が講じられているものの、県としてできること、国にやっていただくことを整理しながら、DXなど新たな技術も駆使して、本県畜産業の一層の振興を図ってまいります。
【質問②】県産和牛ブランドの確立に向けて、県はどのように取り組んでいるのか伺いたい。
回答:農林水産部長(赤平次郎)
- 和牛のブランドを確立するには、年間1000頭以上の出荷が必要と言われております。このため、県や生産者団体等が参画するあおもり牛販売促進協議会では、令和元年度に県産黒毛和種の銘柄名をあおもり和牛に統一しています。
- 県では、生産、販売の両面からブランド確立に向けて取り組んでおり、生産面では、農協や県産業技術センター畜産研究所などとともに、脂肪交雑といった品質などの能力を調査し、成績が優れたものを県基幹種雄牛として、現在14頭を指定しております。また、農家巡回による個別指導のほか、県内外の肥育技術者による講習会を開催するなど、高品質化に向けて技術指導を行っています。
- 販売面では、あおもり牛販売促進協議会に支援し開催している東京都中央卸売市場での共励会や、和牛オリンピック、全国和牛能力共進会での銘柄牛PRブースの出展のほか、県外量販店における青森県フェアでの宣伝販売などを通じて、実需者と消費者それぞれにPRを行っており、引き続き、このような活動により、あおもり和牛ブランドの確立を図ってまいります。
県職員の働き方改革について
先日、国家公務員総合職、いわゆるキャリア官僚の採用試験の合格者に関して、東大卒の合格者が過去最低になったといったニュースが話題になりました。
受験者の総数も年々減っている。つまり、公務員が避けられている。
では、青森県庁はどうなのかなと思って、過去十年ほどの受験者、応募の状況などを確認してみました。
平成24年度は、大卒の行政職の受験者が500名以上、そして倍率も8倍以上であったのが、昨年、令和4年度は、受験者は200名程度、倍率も2倍ほどになっていました。
これは、市役所の試験日程と同日になった影響もあるかもしれませんが、これはかなり顕著な減少数ではないでしょうか。
行政の場で青森県を支えていく人材を未来を見据えてしっかり確保していく、青森県庁で働くという選択肢を選んでもらうためにも、この青森県庁内での働き方改革が必要なのではないでしょうか。
【質問①】職員の時間外勤務について
(ア)過去3年間における職員の時間外勤務の状況を伺いたい。 回答:副知事(小谷知也)
- 過去3年間における知事部局の職員の時間外勤務は、1人1か月当たりの平均で、令和2年度は10.5時間、令和3年度は十2.5時間、令和4年度は14.4時間となっており、近年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大や鳥インフルエンザ、大雨災害への対応などにより増加傾向にあります。
(イ)時間外勤務の縮減に向けて、どのように取り組んでいくのか伺いたい。 回答:副知事(小谷知也)
- 時間外勤務の縮減に向けては、各所属が留意すべき事項等を定めた指針に基づき、事務処理の改善や効率化、簡素化の徹底、事務の計画的な執行等に取り組むとともに、業務の増減に応じた人員配置などにより、特定の職員に業務が集中しないよう配慮してきたところです。
- さらに、毎週水曜日をいわゆるノー残業デーに設定しているほか、各所属が自ら定時退庁に努める週を設定するワーク・ライフ・バランスウィークを実施し、定時退庁に努めております。
- 県としては、今後も引き続き、管理監督職員のリーダーシップの下、県庁DXの推進による事務処理の見直し等に積極的に取り組むなど、時間外勤務の一層の縮減を図ってまいりたいと考えております。
【質問②】職員の年次休暇について
(ア)過去3年間における職員の年次休暇の取得状況及び取得日数が5日未満の職員の割合を伺いたい。 回答:副知事(小谷知也)
- 過去3年間における知事部局の職員の年次休暇の取得日数は、年間1人当たりの平均で、令和2年は13.3日、令和3年は14.1日、令和4年は14.2日となっており、増加傾向にあります。
- また、取得日数が5日未満の職員の割合は、令和2年は4.5%、令和3年は2.9%、令和4年は2.6%となっており、減少傾向にあります。
(イ)年次休暇の取得促進に向けて、どのように取り組んでいくのか伺いたい。 回答:副知事(小谷知也)
- 年次休暇の取得を促進するためには、各所属において職員が年次休暇を計画的に利用することができる環境を進めることが効果的であると考えております。
- このため、各所属において年次休暇を取得しやすい事務処理体制を整えること、職員ごとに年次休暇の利用計画を毎月作成すること、月に少なくとも一日は年次休暇を取得させること、管理監督職員が積極的に年次休暇を取得すること、全ての職員が年次休暇を五日以上取得するよう働きかけることなど、積極的な取組を促しているところでございます。
- 今後も、管理監督職員のリーダーシップの下、年次休暇の取得をさらに促進してまいりたいと考えております。
学校における働き方改革について
さきの県庁職員の働き方改革の話と同様、学校教員の働き方を改善、改革を実践していかなければ、成り手は減る一方です。
今まで教員が我慢してきた、善意に甘んじてきただけで、過酷な労働環境に教職を敬遠してしまっている学生が多く、全国的に教員不足が深刻な状況です。
昨日の安藤議員の一般質問内でもありましたが、青森県でも担任すら十分に確保できない状況になっている。
教育行政は、最も重視する分野の1つ、100年先の未来を描きながら取り組むと宮下知事はおっしゃった。
しかし、教育の担い手がきちんと確保できている、彼らが子供たちを導いていくために疲弊をさせないことが大前提です。
現場の余白をつくらなければいけない。これも知事が先日おっしゃっていました。
私も全く同様に思います。
【質問①】本県公立学校教員の時間外在校等時間の状況及び働き方改革の取組状況について伺いたい。
回答:教育長(風張知子)
- 県教育委員会が令和3年度に実施した調査では、本県公立学校教員の1か月当たりの時間外在校等時間の平均は、小学校で約36時間、中学校で約53時間、高等学校で約35時間、特別支援学校で約22時間となっております。
- 県教育委員会では、県立学校教員の時間外在校等時間の上限を原則として1か月で45時間以内、1年間で360時間以内と定めており、時間外在校等時間が月45時間を超えている県立学校教員は、令和3年度において、高等学校で3.1%、特別支援学校で9.3%となっております。
- このような状況を踏まえ、令和5年3月に学校における働き方改革プランを改定し、時間外在校等時間が月45時間を超える教職員の割合の減少、子供と向き合う時間が確保できていると感じている教育職員の割合の増加、全市町村における基本方針等の策定の3つを目標に掲げて、取組を進めることとしております。
- 具体的には、スクールカウンセラーやスクールサポートスタッフなど専門スタッフの配置、部活動指導員等の活用、公立中学校における休日の部活動の地域移行の推進等に取り組むことにより、教員の負担を軽減し、心身ともに健康で、心にゆとりを持ち、子供と向き合う時間を十分に確保できる職場環境を構築することとしています。
【質問②】公立中学校における休日の部活動の地域移行に向け、県教育委員会ではどのように取り組んでいくのか伺いたい。
回答:教育長(風張知子)
- 少子化が進展する中、部活動を従前と同様の体制で運営することは難しくなってきており、また、これまでどおり教職員による指導体制を継続することは、学校の働き方改革が進む中、より一層厳しくなると考えております。
- このため、県教育委員会では、生徒のニーズに合ったスポーツ・文化芸術活動の機会を確保するため、令和5年4月に青森県公立中学校における休日の部活動の地域移行推進計画を策定したところです。
- 県教育委員会では、公立中学校における地域移行に向けて、当該計画に基づき、本年度から令和7年度までの3年にわたり、市町村担当者による協議会を開催し、国の動向や他県の先進事例、各市町村の取組状況等について情報共有を図るほか、地域クラブが指導者を確保するための人材バンクの設置、地域クラブの指導者の資質向上等に取り組んでいくこととしております。
- また、県立三本木高等学校附属中学校の部活動についても、地域移行に向けて実践研究を行い、可能な部活動から休日の活動を地域クラブに移行することとしております。
- 令和8年度以降については、県内公立中学校の部活動の地域移行等の進捗状況を踏まえ、市町村に対する助言、支援等に取り組んでいきます。
あおもり若者定着奨学金返還支援制度について
日本学生支援機構や文科省の統計で、大学学部生の奨学金利用率が、2015年は63%で、青森県が1位、2020年も50.9%で1位、いつも青森県は上位にいます。
奨学金は、奨学金という名の借金であることがほとんどです。
給付型の奨学金は、採用される学生はごく僅かです。
しかも、無利子ならよいほうで、利子つきで借りなければいけないパターンが圧倒的に多い。
大学を卒業するときに何百万円という借金を背負って社会に出る。
運よく就職ができればよいですが、なかなか就職が決まらなければどうするのか。
奨学金の返還が負担となり、生活を切り詰める、なかなか結婚なども考えられない、そういった若者もいます。
私自身も奨学金を借りました。
返還を全て終えるまでに40歳を過ぎます。
あと10年ほどかかります。
何かがあって返せなくなってしまったらどうしようかと考えてしまいます。
そんな奨学金返還の不安を払拭するため、青森県では昨年度からあおもり若者定着奨学金返還支援制度を実施しているようですが、企業と県で大学や専門学校を卒業した若者に対し、6年間離職せずに青森県内に住みながら働き続けることで、奨学金の返還を最大150万円までサポートするこの事業は、若者の経済支援となるのはもちろん、人材の県外流出を防ぎ、定着を図る制度としても期待が持てる事業ではないかと感じます。
【質問①】2023年度及び2024年度採用分のあおもり若者定着サポート企業及び就職予定者の登録状況について伺いたい。
回答:企画政策部長(奈良浩明)
- あおもり若者定着奨学金返還支援制度の趣旨に賛同し、若者の奨学金返還の支援を行うあおもり若者定着サポート企業の登録数は、本年7月13日時点で、2023年度採用分が97社、2024年度採用分が119社となっています。
- また、本制度の利用を希望する就職予定者の登録数は、同じく7月13日時点で、2023年度採用分が84人、2024年度採用分が63人となっています。
【質問②】本制度の利用促進を図るため、県はどのように取り組むのか伺いたい。
回答:企画政策部長(奈良浩明)
- あおもり若者定着奨学金返還支援制度は、昨年6月から運用を開始した取組であることから、本制度の利用を促進するためには、幅広く制度を周知し、多くの企業や若者の理解を得ることが重要であると考えています。
- 県ではまず、企業に対しては、各種団体の会議における説明や会報誌への掲載、個別の企業訪問など、制度への理解を深め、賛同していただける企業を増やすための取組を行っています。
- また、若者に対しては、県内外の大学、短大等への周知や学生への説明、就職関連イベントへのPRブースの出展に加え、父母会での保護者への説明など、対象者が毎年度変わることを踏まえた継続的な周知活動に取り組んでいます。
- さらに、企業、若者双方に向けた周知活動として、市町村広報誌への記事掲載、新聞、SNSなど各種メディアを活用したプロモーションの実施など、様々な機会を捉え、積極的に制度の周知を図っています。
- 県といたしましては、今後とも、庁内関係課や市町村、県内外の大学、短大等や関係機関などと密接に連携を図り、県内企業の人材確保と若者の県内定着・還流に資する本制度の一層の利用促進を図ってまいります。
再生可能エネルギーの導入による産業振興について
青森県は自然豊かな風土であり、風力や太陽光発電などの再生可能エネルギーの適地であり、ポテンシャルも高い。
再生可能エネルギーは、エネルギー供給が不安定だとも言われてきましたが、この十数年でエネルギー効率もかなり改善、向上しています。
環境や社会に配慮したESG投資も世界的な潮流であり、ビジネスとしても再生可能エネルギーの導入、推進は、決してないがしろにできないものと考えられます。
今や再生可能エネルギーの推進は、エコだから、脱炭素だからといった倫理的、道徳的な話だけではないのです。
エネルギーの自給率、安全保障という点からも、複数のエネルギー源があったほうが望ましいのは言うまでもありません。
青森の自然を生かし、新たな産業をつくっていく、雇用を創出していく、この青森が日本の再生可能エネルギーを引っ張っていく、イニシアチブを執っていくのだ。
そうした青森発のエネルギー新時代が構想されてもよいのではないでしょうか。
【質問①】再生可能エネルギーの導入を県内の産業振興につなげていくべきと考えるが、県はどのように取り組んでいるのか伺いたい。
回答:エネルギー総合対策局長(荒関浩巳)
- 地域の資源である再生可能エネルギーは、地域が主体となって活用し、新たな産業や雇用の創出、エネルギーコストの削減などのメリットが地域に還元される仕組みづくりをしていくことが重要であると考えております。
- このため、県では、青森県エネルギー産業振興戦略に基づきまして、本県の高いエネルギーポテンシャルを生かし、売電のみならず、再生可能エネルギーや熱エネルギーを地域自らが効果的に活用していくことにより、人材、資金等が地域の中で循環し、地域の産業振興や雇用創出に結びつくような地域社会の形成を目指すこととしております。
- 県としては、太陽光や小水力、バイオマス等による自立分散型電源を生かした災害対応力の向上や、エネルギーの地産地消を推進する取組など、再生可能エネルギーの利活用モデルづくりを進めるとともに、人材育成や産学官金のネットワークの強化等を図ることにより、本県のエネルギー産業の振興に取り組んでいきます。
【質問②】県内企業の参入促進に向け、県はどのように取り組んでいるのか伺いたい。
回答:エネルギー総合対策局長(荒関浩巳)
- 県では、再生可能エネルギー関連産業への県内企業の参入を促進するには、県内の産学官金の有機的な連携によるネットワークづくりが重要であると考えております。
- このため、県では、平成24年度に青森県再生可能エネルギー産業ネットワーク会議を立ち上げ、令和5年3月末現在、県内企業を中心に、281の団体、企業が参加しております。
- ネットワーク会議では、産学官金による会員相互の情報共有が図られるよう、ウェブサイトの開設やメールマガジンの配信により、国などの補助金情報や業界情報を発信しているほか、フォーラムや視察研修会の開催など、新規参入に向けた啓発・情報交流事業を実施しております。
- 県としては、再生可能エネルギーのポテンシャルの高い本県において、引き続き、産学官金のネットワーク強化を図りながら、多様な再生可能エネルギーの導入による新たなビジネスチャンスの創出を支援していきたいと考えております。
【質問③】再生可能エネルギー産業の担い手育成に向け、県はどのように取り組んでいるのか伺いたい。
回答:エネルギー総合対策局長(荒関浩巳)
- 県では、全国でも有数の風況に恵まれた本県の特性を踏まえ、平成28年度から風力発電関連産業への県内企業の参入促進と人材育成を図るための研修を実施してきているところです。
- 令和4年度は、工業高校生等向けの体験研修として、風力発電に関する基礎的な理解を深めるとともに、進路選択の一助とすることを目的に、風力発電に関する講義、発電機等が格納されたナセルの見学、工具や安全保護具の使用体験及び実際の機械見学等を実施し、県内の工業高校等7校から延べ12回、345名が参加いたしました。
- また、事業者向けの研修として、青森県電気工事業工業組合の組合員等を対象に、風力発電メンテナンスに係る業務内容や必要資格等に関する講演及び実際の機械を用いたメンテナンス体験等を実施し、8社が参加したところです。
- 県としては、今後も、風力発電関連産業を担う人材の育成を図るとともに、地元企業の風力発電関連産業への参入や事業拡大に必要な技術の習得、定着を促進することにより、本県産業の振興や雇用の創出につなげていきたいと考えております。
りんご産業の振興について
青森といったら、やっぱりリンゴなんです。
日本で1番の生産量で6割を占めています。
2位の長野と比べても3倍以上の生産量です。
しかし、リンゴ農家の高齢化により、後継者不足が深刻となっている。
リンゴといったら青森だ、これが保てなくなってしまうかもしれない。
そうした後継者不足の解消や県内外の新規就農促進のためにも、収穫まで10年近くかかってしまう従来の丸葉栽培だけに頼るのではなく、2、3年ほどで収穫可能、収益化が見込める高密植わい化リンゴ栽培、午前中に大澤議員の質問や答弁でも触れられていましたが、青森の今後のリンゴ産業への大きな希望となり得るのではないでしょうか。
先日、私自身も浪岡で実際にリンゴの高密植わい化栽培の農園を視察しました。
広大な土地にずらりと並ぶリンゴの木は壮観でした。
支柱の設備や苗木の本数が多く必要なため、初期投資は必要ですが、県は、より高密植栽培の参入、導入、技術普及を進めてほしいと考えます。
また、海外へのリンゴの輸出に関してですが、近年は、台湾を中心に輸出量が年々増加しています。
しかし、増加しているのは大変よいことなのですが、国別に見ると、台湾が約7割で、香港が約2割、この2国だけで9割近い状況です。
販路を広げる、何かあったときのリスクを回避するためにも、より他国へも輸出を拡大していくべきではないかと考えます。
【質問①】りんごの高密植わい化栽培の推進について
回答:知事(宮下宗一郎)
- 私は、本県の農林水産業を魅力ある生業(なりわい)として維持、発展させていくためには、販売力を強化し、海外への販路拡大と販売方法の多様化を実現することが重要であると考えております。
- このため、青森リンゴについては、将来を見据え、人口増や経済成長が見込まれ、輸出拡大の可能性がある国や地域の市場開拓を関係団体と連携しながら、積極的に推進してまいります。
- 具体的には、タイやベトナムなどの東南アジアの国々を対象に、店舗での試食宣伝やSNSによる情報発信などを通じて、青森リンゴのブランド確立と認知度向上を図ってまいります。
- さらに、輸出が解禁となったインドの市場調査を行い、輸出先としての有望性についても確認するなど、海外への販路開拓に挑戦し、青森リンゴの一層の輸出拡大に取り組んでまいります。
回答:農林水産部長(赤平次郎)
- 本県における令和4年9月現在のリンゴ高密植わい化栽培面積は27.4ヘクタールであり、リンゴ栽培面積全体の約2万ヘクタールからすれば、ごく僅かな状況です。
- このため、県では、県産業技術センターりんご研究所やJA全農あおもりがこれまで実施した試験研究や現地調査の結果を基に、積雪対策やかん水設備が必要であることなど、導入に当たっての条件を生産者に情報提供するとともに、主産地である中南地域にモデル園を設置し、栽培指導者向けの技術研修会を開催しております。
- 今後は、本県の気象条件の下で高密植わい化栽培の利点を最大限に生かす栽植密度や着果基準、専用苗木の養成期間の短縮などの技術マニュアルを作成することとしており、これらを活用するとともに、国の支援事業も活用しながら、早期に技術の普及を図っていきたいと考えています。
【質問②】りんごの輸出拡大について
回答:観光国際戦略局長(齋藤直樹)
- 令和4年産リンゴの本年5月までにおける輸出実績は、財務省貿易統計によると、輸出量が前年同月比137%の3万9940トン、輸出金額が前年同月比144%の195億円で、過去最大の輸出量、輸出金額を更新しています。
- 地域別の輸出量は、台湾が全体の71%を占める2万8387トンで最も多く、次いで香港が全体の25%で9833トン、タイやシンガポールなどその他の地域が全体の4%で1720トンとなっています。
- 令和4年産リンゴの輸出が好調に推移している理由としては、生産者のたゆまぬ努力により、大玉で良食味のリンゴが生産されたことに加え、輸出序盤となる10月から県と関係団体が連携して効果的なPR活動を展開してきたこと、また、最大の需要期である春節に向け、輸出事業者が現地の需要に的確に対応してきたことなどが挙げられます。
県議会議員一般選挙及び知事選挙の投票率等について
今年4月に行われた県議会議員選挙の投票率は、青森県全体では42.62%で、2019年の前回よりも5.76%の減少、青森市選挙区に至っては40%を切り、39.79%、前回より8.59%も減少してしまいました。
青森県の105万人ほどの有権者のうち、45万人しか投票に行っていない。
残り60万人以上が棄権しました。
ただ、片や一方の青森県知事選の投票率は57.05%であり、前回より17%近くの上昇です。あれだけ盛り上がった選挙は近年の青森ではなかったのではないでしょうか。
そして、あの盛り上がりでも、40市町村のうちで投票率が半分の50%に満たなかった、届かなかった地域もあったのか。
そういった驚きもありました。
投票率は、その社会の活力のバロメーター、社会の基礎体温のようなものだと私は考えます。
投票率が低い状況の社会は、低体温症の社会です。
そして、未来を担うはずの若い世代の声が届かない。
そもそも、政治になんか期待せず、若い世代の人たちは、自分の声を届けようとも、また、見向きもしてくれなかったりする。
この社会の体温を上げなければいけません。
もちろん、選挙に出る立候補者たちが政治に振り向いてもらえるように訴える。
誰がやったって同じだ、そう思われないために活動していくことが必要です。
しかし、同時に、誰でも選挙に行きやすい、行ってみたいと思えるような仕組みづくり、環境づくりをすることも投票率向上へ大きく寄与するのではないでしょうか。
【質問①】令和5年4月執行の県議会議員一般選挙及び6月執行の知事選挙の投票率について、県選挙管理員会ではどのように受けとめているのか伺いたい。
回答:選挙管理委員長(畑井義徳)
- 4月に執行しました県議会議員一般選挙における投票率は42.62%となり、過去最低の投票率となった前回選挙の48.38%から、さらに5.76ポイント低下しました。一方、6月に執行しました知事選挙における投票率は57.05%と、前回選挙の40.08%から16.97ポイント上昇したところです。
- 県選挙管理委員会としては、常日頃から有権者1人1人の主権者意識を高め、選挙の種別に関係なく投票行動を取っていただくことが重要であると考えており、投票率が低いとされる若年層に対する啓発活動などを継続的に実施していきたいと考えています。
【質問②】若者などの投票率向上に向けた県選挙管理委員会の取組について伺いたい。
回答:選挙管理委員長(畑井義徳)
- 県選挙管理委員会では、高等学校を訪問して行う選挙出前講座や、青森県の課題や解決策について各校の代表生徒から県議会議員に政策提案を行う高校生模擬議会など、主権者意識の向上を目的とした啓発事業を実施しています。
- さらに、投票率向上に向けては、投票環境の整備が重要であることから、選挙の都度、各市町村選挙管理委員会に対し、投票しやすい場所への投票所の設置や、移動期日前投票所の設置等を働きかけており、今回の知事選挙の期日前投票所数は113か所と知事選挙では過去最多となったほか、平内町において移動期日前投票所を設置するなど、投票環境の向上が進んでいるところです。
【質問③】知事選挙で実施した記号式投票の導入の経緯や効果等について伺いたい。
回答:選挙管理委員長(畑井義徳)
- 地方公共団体の議会の議員または長の選挙については、点字投票、期日前投票及び不在者投票を除き、条例で定めることで記号式投票により行うことができると公職選挙法に規定されており、本県においては、昭和41年に記号式投票に関する条例を定め、昭和42年の県知事選挙から記号式投票を実施しているところです。
- 記号式投票の効果としては、一般的に投票の効力判定が容易になり、無効投票が減少することや開票時間が短縮されること、また、選挙人が短時間に投票できることなどが挙げられます。
【再質問】選挙の情報等について、投票所入場券を持参しなくても投票できることなども含め、もっとSNSを活用してPRすべきと考えるが、県選挙管理委員会の見解について。また、選挙公報を各投票所へ設置する、掲示することなどを促していくことも、選挙へ関心を持ってもらうため、投票率向上のためにも有効だと考えるが見解は。
まず、投票率向上に関しての再質問です。
青森県議選や青森県知事選では、積極的に投票を啓発する投稿を行っている県内自治体の選挙管理委員会がありました。特にむつ市や黒石市は、現在の投票率をメーターで示したり、投票所の様子などを掲載したり、市民へ投票してほしいとの思いが伝わる投稿がありました。統一地方選全体でも全国の様々な自治体がSNSへ投票啓発の投稿をしていました。
それでは、青森県の選挙管理委員会はどうなのかなと思ってチェックしてみたのですが、青森県知事選のときは、投稿が期間中に八回、青森県議選のときはたったの一回だったんですね。これはちょっと寂し過ぎるんじゃないかなと思うんです。今の時代は、ネットでの発信をないがしろにすべきではないと思います。若い人へ投票を促すならなおさらのことで、新聞やテレビをあまり見ない、ネットで主に情報を収集する若い世代にとって、ネット上にすら情報がなかったら、どのように情報を手に入れればよいのでしょうか。興味や関心を持つことすら不可能になってしまいます。よりたくさん情報へ触れる手段、チャンネルがあるべきです。
ほかにも、せっかく投票所に行こうと思った、もしくは投票所に行ったときに、投票入場券を忘れてしまった、なくしてしまった、だから投票できない。そう思っている方々はたくさんいると思うんです。しかし、投票入場券がなくても、受付で名前、住所、生年月日を伝えれば係の方が調べてくれて、一分もかからずに入場ができるわけです。投票入場券がなくても投票ができる。これは統計を取ったわけではないんですけれども、少なくとも私の周りの友人、知人にこれを話してみたところ、ほとんどの人がやっぱり知らなかったんですね。ああ、そうなのという反応だったんです。SNSとかでそういった発信をしてみても、ああ、そうなんだという反応がやっぱり多かったんです。
一応、県のホームページの「よくある質問」のところにも、投票入場券を紛失したり、持参を忘れても、選挙人本人の確認ができれば投票ができますよということは書いてあります。しかし、いざ選挙のときに誰も知らなければ意味がないと思うんです。選挙時の特設サイトであったり、SNSであったり、テレビのCM、また、公報などにもきちんと分かるような形で記載すればいいだけの話だと思うんですね。
また、ほかにも、誰が何を考えているか、訴えているか分からないけれども、何となく投票してみた、こういった話もあったりするんです。一応、この選挙のときに、各事業所であったり、家庭であったり、選挙公報は事前に配布されます。でも、何かのチラシに紛れてしまったり、ポストに入っているものをわざわざ一つ一つ確認しないとか、いろいろなことがあって、選挙公報なんて見ない、そういった人もたくさんいたりするんです。立候補者が一生懸命つくった公報が有権者に届いていない、選挙管理委員会でも一生懸命配布したのに有権者に届いていない。物理的に届いていないとかではなくて、見られていないのは届いていないと同じだと思うんです。これはすごいもったいないことだと思うんです。
どんな基準でどの立候補者に投票するかは有権者の自由ではあります。でも、せっかくなら候補者が一体何を訴えているのか、どういうことを考えているのか分かった上で投票ができたほうがいいと思うんですね。それは、投票所に行けば立候補者の公約が書いてある選挙公報が確認できるとか、そんなささいな仕掛けであったり、気遣いがあるだけでも全然違うと思うんです。
それでは、質問です。
選挙の情報等に関し、投票所へ入場券を持参しなくても投票ができることなども含め、もっとSNSを活用してPRする啓発をしていくべきと思いますが、県選挙管理委員会ではどう考えているのか。
そして、選挙公報を各投票所へ設置する、掲示することなどを促していくことも、選挙へ関心を持ってもらうため、投票率向上のためにも有効だと考えますが、その見解を伺います。
回答:選挙管理委員長(畑井義徳)
- 特に例示のあった投票所入場券を持参しなくても投票できることのPRについてでございますが、投票所入場券は、選挙が行われることを周知するのみならず、投票用紙の二重交付等の管理執行上の問題を防止する上で重要な役割を果たすものであること、また、これを持参されない選挙人が増加するに従い、受付で混雑が発生しやすくなるといった課題もあることから、期日前投票所の設置された商業施設の周辺等に限った周知を行うなどの方法が考えられるところであり、御意見があったことを各市町村選挙管理委員会と共有したいと思います。
- 一方で、SNSを活用した選挙啓発は、若年層を中心に訴求効果が高いと考えられることから、県選挙管理委員会では、公式フェイスブック及びツイッターでの県内大学生による投票呼びかけの動画やカウントダウンの投稿、選挙期間中にユーチューブやLINE、インスタグラム等でのターゲティング広告などを行っており、今回の御意見があったことも踏まえ、さらに効果的な情報発信に努めていきたいと考えています。
- また、選挙公報についてですが、選挙公報は、選挙運動のために使用する文書図画に当たりますが、選挙運動での掲示が認められている文書図画には該当せず、掲示はできません。その一方で、投票所等への設置については、公職選挙法において禁止されておらず、投票所において選挙人から要望があった場合に閲覧させている市町村もあります。
- なお、この設置に当たっても、選挙人から見える場所に備え置くことは、その場に人が集まり、候補者の誰に投票するのかといった会話が生じることで選挙運動に該当する可能性が生ずることが懸念されることから、投票所の秩序保持の観点から慎重に対応すべきものと考えられます。この判断は、最終的に投票所の秩序保持を担う各投票管理者が行うべきものであることから、このような御意見があったことについて、市町村に周知していきたいと考えます。
公報のことは選挙運動に当たるんじゃないかということもあるかもしれないんですけれども、例えば掲示ができないんだったとしても、ちゃんと置いてあるということであるとか、そういったことを少なくとも掲示する、公報実物じゃなくても見ることができるということが分かるだけでも、投票所に行って見られるというだけでもやっぱり違ってくると思うので、御検討をお願いいたします。
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