医福工連携の推進に向けた県の取組についての質問

目次

医福工連携の推進に向けた県の取組について

 私からは、医福工連携の推進に向けた県の取組について質問します。

 先日の新聞等の報道では、全国の都道府県知事や市区町村長を対象に行ったアンケートの結果、介護保険制度の持続に危機感を抱いている首長が97%に上ったとの記事がありました。介護難民の発生や担い手不足への懸念が強まっているとの内容でした。
 また、先ほど、私たち新政未来の会派でも、医師不足に関する専門家の説明を受けましたが、医療現場も診療報酬の不足や医師の偏在など、さまざまな課題を抱えており、医療・介護・福祉の現場はいずれも厳しい状況にあると感じています。

 根本的には人手不足の問題があり、担い手を増やしていくことが重要ですが、ケアの分野は単純に合理化や機械化が難しい部分もあります。
 一方で、医療・福祉・工業が連携しながら産業を創出し、現場の支援につながる技術や製品を生み出していくことは、産業振興の観点からも非常に重要であると考えています。

【質問①】県が、医福工連携分野の産業振興に重点的に取り組んできた経緯を伺いたい。

 そこで、県が医福工連携分野の産業振興に重点的に取り組んできた経緯を伺います。

回答:原産業イノベーション推進課長
  • 県では、県内のものづくり企業が、全国的な少子高齢化の進展等を背景に、市場の拡大が見込まれる医療分野のニーズに対応した製品を開発して、イノベーションをしていくことが重要であると考え、平成23年11月に青森ライフイノベーション戦略を策定し、本県経済を支える重要な産業の柱として、ライフ関連産業の創出・育成に取り組んでいるところです。
  • 本戦略の重点分野の1つである医工連携では、医療現場等のニーズと県内のものづくり企業等の技術シーズとの交流機会の提供や製品開発支援等を通じ、県内企業の参入を促進しています。
    • 具体的には、平成23年度から27年度までの戦略ファーストステージでは医師ニーズを、平成28年度から令和2年度までのセカンドステージでは臨床工学技士など医師以外の医療従事者、いわゆるコメディカル視点に基づく現場ニーズを中心に据えて、医療現場と県内企業との連携を進めてきました。
  • 令和3年度からのアクションプランにおいては、これまでの医工連携に、今後の需要拡大が見込まれる介護分野を追加し、医福工連携として、県内企業の製品開発等を支援しています。

【質問②】医療介護関連ビジネスの開発には現場ニーズの把握が欠かせないと考えるが、実際どのようなニーズがあり、県はどのように開発を支援しているのか伺いたい。

 人手不足が続く中で、これは裏を返せば、需要が非常に高いということでもあります。課題を解決するためにも、積極的な取組が求められていると感じます。

 今、医師や臨床現場などのニーズのお話もありましたが、医療・介護関連のビジネス開発には、現場のニーズを的確に把握することが不可欠です。現場でどのような課題を感じているのか、何が必要とされているのか、その把握が重要だと考えます。
 そこで、これまでにどのようなニーズが寄せられているのか、また、県はそうしたニーズに対してどのような開発支援を行っているのか、お伺いします。

回答:原産業イノベーション推進課長
  • 委員ご指摘のとおり、医療・介護関連ビジネスを成長させていくためには、まずは、医療・介護現場のニーズをしっかりと把握する必要があることから、県では、現場ニーズの掘り起こしを行った上で、県内企業の技術シーズとのマッチングイベントを開催しています。
  • 県では、専門のコーディネーターを配置して、ニーズの市場性を分析するとともに、補助金の交付やコーディネーターによる伴走支援を行うことなどにより、製品化に取り組む県内企業を支援しています。

 実際に具体化された製品もあるということで、大変有意義な取組だと思います。
 こうしたニーズは年度によっても異なると思いますが、どの程度の件数が寄せられているのか、また、そのニーズを把握するための場はどのように設定しているのか、伺います。

回答:原産業イノベーション推進課長
  • ニーズをどのように把握しているのかということについて、県といたしましては、ニーズ登録専用のインターネットプラットフォームを構築いたしまして、医療・介護従事者の方々に日々の業務で感じているニーズを募集しています。募集に当たっては、医療・介護関連の団体、医療機関及び介護関係機関を事前に訪問し、協力を依頼しております。
  • 続きまして、ニーズ交流会で出たニーズの件数につきまして申し上げます。
    • 令和6年度、交流会から8社、11名の事業者が参加し、ニーズは5件発表があり、マッチングは3件となりました。
    • 令和7年度の交流会は7月25日に開催し、8社、17名の事業者が参加し、ニーズの発表は7件でございました。
    • 現在、マッチングの成立に向けて、複数のニーズ発表者と事業者が製品開発に向けた面談等を行っているところでございます。

 訪問や交流会などを通じて現場の声を聞く取組を進めていただいているとのことで、大変心強く思います。
 現場の方々は日々の業務の合間にニーズをまとめるのも大変だと思いますが、今後もより意見を出しやすい環境を整え、現場の声を生かす仕組みを充実させていただきたいと思います。

【質問③】県内企業によって開発された医療・介護分野製品の販路開拓支援に、県はどのように取り組んでいるのか伺いたい。

 また、先ほど紹介のあった注射針や電源タップなどの製品は、県内企業が開発されたものとのことですが、これらの医療・介護分野製品については、販路開拓も重要です。
 せっかく開発された製品を県内外の現場で活用してもらうためにも、県として販路開拓を支援すべきと考えます。県ではどのように取り組んでいるのか、お伺いします。

回答:原産業イノベーション推進課長
  • 県では、医療・介護分野製品の販路開拓に当たっては、医療・介護従事者に対して製品や技術を直接アピールすることで、開発製品への評価や改良に向けた助言、さらには競合他社製品に関する情報収集等が可能となることから、医療系学会に併催される展示会への出展支援に取り組んでいます。
    • 具体的には、医療分野製品については、出展を希望する県内企業に対して、専門のコーディネーターが適切な学会の情報を提供するほか、東北地域において大規模に開催される北海道・東北臨床工学会に本県ブースを設け、来場者に対して県内企業開発製品のPRを行うことで、医療系従事者との接点づくりに取り組んでいます。
    • また、介護分野製品については、今年度から新たに、県内介護施設の視察交流会を開催し、県内企業が介護従事者に直接製品をアピールできる場を設けることとしています。

 現場の方々に直接製品を紹介し、実際に見てもらうことが何より重要だと思います。
 ネットや資料だけでは伝わらない部分も多く、直接説明して、これは使えると納得してもらうことが利用促進の近道になると考えます。地道な取組と思いますが、ぜひ継続して取り組んでいただきたいと思います。
 本県で生まれた技術や製品が、県内だけでなく全国、さらには世界の医療・介護・福祉の現場で役立つよう、積極的に販路開拓支援を進めていただきたいと思います。

 また、医療機器の販売には資格や許認可が必要であり、事業者にとっては参入のハードルが高いと聞いています。こうした面で県がどのような支援を行っているのか、お伺いします。

回答:原産業イノベーション推進課長
  • 医療機器の開発に当たっては、医薬品医療機器等法に基づく許認可の取得や経験、技術の蓄積等が必要となることから、県内のものづくり企業にはハードルが高いものと考えています。
  • そこで、県といたしましては、コメディカルなどの許認可の取得の必要のない分野での医療関連製品の開発から市場への参入を促しているところでございます。

 専門的な分野ゆえに、アイデアがあっても実現に至るまでには多くの壁があると思います。
 すでに取り組まれていることもあると思いますが、今後は弘前大学や青森県立保健大学などとも連携し、ハードルを下げる支援や、商品化に必要な情報提供などを進めていただきたいと思います。

 医療・福祉の現場では人手不足が深刻化しており、DXの推進だけでは解決できません。
 人材確保とデジタル化の両面から、現場の負担軽減につながる取組を進めていくことが、ひいては県内企業の技術力向上や産業振興にもつながると考えます。今後とも積極的な取組を期待します。

よかったらシェアしてください
目次