
一般質問【令和8年3月第325回定例会】
令和8年2月第325回定例会で、一般質問を行いました。
今回の質問では、豪雪時の除排雪、子育て支援、社会的養護、障がい者雇用、林業、動物虐待、不登校、公立夜間中学、県立盲学校・県立青森聾学校の併設、青森県学生寮などを取り上げました。
どれも派手な政策テーマではないかもしれません。けれども、日々の暮らしの中で困っている人がいて、声を上げにくい人がいて、制度のすき間に置かれている人がいる。そうした現場から見えてくる課題を、県議会の場で問いました。
なお、実際の議会では一括質問・一括答弁の形式で行われていますが、このページでは読みやすさを重視し、質問項目ごとに「質問」と「答弁」を並べる形で整理しています。
目次
道路管理者間の連携による道路除排雪について

立憲民主・無所属の会の小笠原大佑です。
通告に従い一般質問を行います。
まず初めに、道路管理者間の連携による道路除排雪についてです。
今回の議会でも多くの議員が触れていますが、今年の雪は本当に大変でした。
県内各地で豪雪となり、青森市では2月1日に平年の2.7倍に当たる積雪183センチを記録しました。
観測史上四番目の積雪です。
昨年もすごい雪だったので、さすがに今年は少し落ち着くのではないかと思いましたが、おてんと様は容赦がありませんでした。
豪雪の影響は、通勤、通学、通院、物流など、県民生活のあらゆる場面に及びました。
生活道路に雪がたまり、道幅が狭くなる、車が出せない、買物に行けない、灯油が届かない、そんな不安の中で暮らした県民は少なくなかったと思います。
特に青森市の除排雪体制をめぐっては様々なことが報道され、現在、青森市議会でも議論が行われています。
詳細には立ち入りませんが、不明瞭な点がきちんと明らかにされ、今後の改善につながっていくことを願っています。
今回の豪雪の中で私が改めて重要だと感じたのは、国道、県道、市町村道といった道路管理者の違いを超えて、切れ目なく除排雪を行うという視点です。
県民からすれば、どの道路がどの管理者の所管かということは、正直あまり関係ありません。
実際には一続きの生活道路として使っているからです。
だからこそ、豪雪時に道路管理者同士が連携し、一体的に除排雪を行う、いわゆるスクラム除雪は非常に重要だと考えます。
人口減少や職員体制の制約、そして豪雪時の対応力の限界を考えれば、市町村単独では十分な除雪体制を維持することが難しい場面もあるはずです。
そうした中で、実際の除排雪の場面で県と市町村が連携することには大きな意味があります。
今後もこうした連携をさらに深めながら、豪雪への対応力を高めていく必要があると考えます。
【質問①】 今冬におけるスクラム除雪の実施状況について伺いたい。
そこでまず、今年の冬におけるスクラム除雪の実施状況について伺います。
回答:県土整備部長(新屋孝文)
- 今冬におけるスクラム除雪の実施状況についてでございます。
- 市町村道から掃き出された雪を国、県のダンプトラックで一斉運搬するスクラム除雪について、昨冬に引き続き、今冬においても市町村からの要請に基づき実施したところです。
- 具体的な実施状況は、先月末時点において、青森市では新青森駅付近の国道七号と市道の交差部の1か所、弘前市では城東中央付近の国道七号と市道の交差部、大久保付近の県道弘前環状線と市道の交差部の2か所、藤崎町では、舟場付近の国道七号と町道の交差部の1か所の計4か所となっており、今後とも、市町村の要請を丁寧に聞き取り、実施を検討してまいります。
【質問②】 県による代行除雪は、どのような場合に実施するのか伺いたい。
あわせて、今回、危機管理対応として行われた県による代行除雪はどのような場合に実施するのか、改めて伺います。
回答:県土整備部長(新屋孝文)
- 県による代行除雪はどのような場合に実施するのかについてでございます。今冬の豪雪により市町村道の除排雪が追いつかない状況となり、市町村からの要請を受けて、危機管理の観点から代行除雪を実施いたしました。
- 県といたしましては、冬期間の県民生活を維持し、その快適性を向上させるため、特に緊急時にはあらゆる選択肢を考慮した上で、市町村と連携して県内の除排雪に万全を期してまいります。
【再質問】 今冬におけるスクラム除雪の実施が計4件でとどまったことについて、理由を伺いたい。
それでは、再質問に入ります。
まず、道路管理者間の連携による道路除排雪についてなんですけれども、今冬のスクラム除雪は、今議員の答弁でもありましたし、今もありました。
青森市で1回、藤崎町で1回、弘前市で2回の計4件だったということです。
率直に感じたことだと、全県で4件というのが何だか少ないのかなという印象を持ったんですね。
タイミングであったりとか、除排雪の場所であったりとか、実施基準であったりとか、何か実施しづらいハードルもあったりするのかなとも思うんですけれども、このスクラム除雪は、管理者の違いを超えて生活道路を守る大事な取組であると思っています。
そこでお聞きしたいんですが、今冬の実施が4件にとどまったということに関して、県としてどのように受け止めているのでしょうか。見解を伺いたいと思います。
回答:知事(宮下宗一郎)
- お答えいたします。私はむしろ多いなと受け止めていて、というのは、繰り返し答弁していると思うんですが、基本的に道路の除排雪というのは、各道路管理者が法的な責任を負っているものです。
- それぞれがしっかり対応することが前提で、なお効率よくやるために必要な箇所について準備をしてやったのが4か所だと受け止めてください。以上です。
基本的には市町村がそういった道路をやることだというのは重々分かります。
やっぱりそのタイミングというのがもっとあったりすれば、実施できる場所とかももちろん限られているとは思うんですけれども、そういったところを事前に、本格的な冬を迎える前からなど、県と市町村で想定箇所などを情報共有しながら、より連携しやすくしていく仕組みにしていただければと思います。
実際に除雪するという連携というのがこのスクラム除雪なのかなと思うので、ちょうどタイミングを合わせるというのは難しいと思いますが、より連携しやすくしてほしいと思います。
子育て支援の利便性向上について
次に、子育て支援の利便性向上についてです。
青森県で安心して子供を産み育てるためには、支援メニューの数だけでは足りません。
いざというときに本当に使いやすいか、そこが何より大事です。
例えば保護者が急に体調を崩したとき、どうしても仕事で迎えに行けないとき、特に独り親家庭や近くに頼れる親族がいない家庭にとって、ショートステイやトワイライトステイは大げさではなく、命綱とも言える支援です。
しかし、現実には手続が分かりにくい、施設に預けることへの心理的な抵抗があるなど、支援を必要としている家庭ほど利用に踏み出しにくい面があるのではないかと感じています。
本当に困っている人を孤立させないためには、もっと気兼ねなく頼れる制度にしていく必要があります。
【質問①】 本県における子育て短期支援事業の実施状況と、利用促進に向けどのように取り組んでいくのか伺いたい。
そこでまず、本県における子育て短期支援事業の実施状況と必要としている家庭への利用促進に向け、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
回答:こども家庭部長(若松伸一)
- 本県における子育て短期支援事業の実施状況と利用促進に向けた取組についてです。令和6年度における子育て短期支援事業の実施状況は、5施設で延べ921人の児童の利用がありました。
- 内訳としましては、ショートステイの利用が延べ210人、トワイライトステイの利用が延べ711人となっております。
- 県としては、子供の療育が一時的に困難となる場合等の受入先の確保に向けて、実施主体である市町村に対し、引き続き受入れ体制の整備を働きかけていきます。
【質問②】 あおもりキッズシッター利用支援事業の実施状況について伺いたい。
関連して、県が実施しているあおもりキッズシッター利用支援事業のことを質問します。
過去の答弁によれば、事業開始から令和7年8月末までの約3か月間で、利用実績は延べ16世帯、児童28人、助成額約49万円にとどまったとのことでした。
県として様々な媒体を使って周知に努めていることは承知しております。
ただ、現場の保護者から聞こえてくるのは、利用が伸び悩む大きな理由は、単に制度を知らないからではなく、利用料を一旦全額立て替えなければならない仕組みにもあるのではないかという話を聞くのです。
パンフレットや県のホームページには、一時間当たり400円が自己負担となるよう助成とありますが、実際には、その日に一時間当たり2500円程度の利用料をまず全額支払い、その後、書類を提出して差額が戻る仕組みです。
利用者からは、2時間預けるだけでもその場で5000円を用意するのは厳しい、後から戻ると分かっていても、今月の生活費の中から先に出す余裕がないといった声も聞きます。
サービス提供する事業者の側からも、その場で全額を受け取る仕組みは利用者の負担が大きいのではないかという声があるようです。
非課税世帯への配慮など、制度上の工夫があることは承知しています。
しかし、物価高の中で日々の生活をやりくりしている家庭にとって、一時的にでも立て替えることはなかなかの負担となってしまいます。
その結果、手元に立て替える余裕のある家庭しか使いにくく、本当に支援を必要としている家庭ほど制度に手が届きにくい、そうした事態が起きているのではないでしょうか。
子育て支援先進県を目指す本県として、この制度がより活用されてほしいと思います。
まず、一点目の質問です。
あおもりキッズシッター利用支援事業の現在の実施状況について伺います。
回答:こども家庭部長(若松伸一)
- あおもりキッズシッター利用支援事業の実施状況についてです。
県では、県が認証した事業者が派遣するキッズシッターの利用料の一部を助成するあおもりキッズシッター利用支援事業を令和7年6月から開始し、令和8年1月末までに延べ134世帯196人の児童の利用があり、約329万円の利用料の助成決定を行いました。
【質問③】 あおもりキッズシッター利用支援事業の普及に向け、現物給付にするべきと考えるが、県の見解について伺いたい。
また、このキッズシッター事業を本当に必要としている御家庭へしっかりと届けるための具体的な提案もしたいと思います。
先ほども触れましたが、利用する御家庭が一度全額を負担して、後からお金を返してもらうという今のやり方は、日々の生活費を懸命にやりくりしている子育て世帯にとって、現金を一時的に立て替えることが想像よりも高いハードルなのではないでしょうか。
県としても、一人でも多くのお母さんやお父さんを助けたいという思いで始められた事業だと思います。
だからこそ、利用するその日にシッターさんへ払うお金を一旦全額払うのではなく、本来の負担分、数百円だけで済むようにできないでしょうか。
お財布の心配をせずに、本当にしんどいときに助けてと言える、安心して子供を預けられる環境をつくるために、利用者は自己負担分だけを支払えば済む仕組みにするなど、本事業の普及に向けて、現物給付の形などにするべきと考えますが、県の見解を伺います。
回答:知事(宮下宗一郎)
- あおもりキッズシッター利用支援事業の助成方法に対する見解についてお答えいたします。
本事業における助成方法については、キッズシッターの認証事業者や本事業の委託先であるあおもりキッズシッター利用支援事業事務センターと協議し、今後は現物給付も含め、より利用しやすい仕組みとなるよう進めていきたいと考えております。
社会的養護を必要とするこどもの居場所の確保について
次に、社会的養護を必要とする子供の居場所の確保についてです。
家庭は本来、子供にとって一番安心できる場所であるはずです。
けれども、現実には、虐待やネグレクト、家庭の様々な事情によって家にいることそのものが苦しい子供たちがいます。
そうした子供たちを家庭だけに任せず、社会全体で支え、守り育てていくのが社会的養護です。
その出発点になるのが、安全に眠れ、食事ができ、安心して過ごせる居場所です。
助けを求めたくても求められない子供がいる、帰る場所があっても、そこに安心して帰れない子供がいる、そうした子供たちに必要なのは、説教でも我慢でもありません。
まずは安全に過ごせる場所です。
子供が行き場を失わないようにすることは、私は命を守ることそのものだと思います。
児童相談所に寄せられる相談は年々複雑になっており、県の資料では、令和6年度の児童虐待相談件数は2380件に上ります。
実際、一時保護された児童の8割以上が虐待を理由としており、家庭という密室で深く傷ついた子供たちを安全に保護し、心身のケアを行う一時保護所や委託先の役割はこれまで以上に重要になっています。
【質問①】 児童相談所一時保護所の受入れ状況及び居室の個室化の状況について伺いたい。
県全体の一時保護人数は減少傾向にある一方で、集中管理を行っている中央児童相談所の一時保護所に目を向けると、令和6年度の実人員は165人で、前年度から59人増えています。
その一方で、一人当たりの平均保護日数は16.0日と、前年度より8.8日短くなっています。
これは、現場が早いサイクルで入退所を繰り返しながら、何とか受け止めている逼迫した状況の表れではないでしょうか
大人から逃げてきた子供たちにとって、保護所はおびえることなく安心して過ごせる場所でなければなりません。
そこで、現在の児童相談所における一時保護所の受入れ状況はどうなっているのか、また、居室の個室化の状況について伺います。
回答:こども家庭部長(若松伸一)
- 児童相談所一時保護所の受入れ状況及び居室の個室化の状況についてです。
- 県の一時保護所で受け入れた児童の実人員数は、令和5年度が106人、令和6年度が165人となっております。
- また、一日当たり平均人員は、令和5年度、令和6年度ともに7.2人、一人当たり平均在所日数は、令和5年度が24.8八日、令和6年度が16.0日となっております。
- 一時保護所では、子供の年齢等を考慮しつつ、子供のプライバシーへの配慮や子供が一人になれる場所を確保できるよう、個室対応を基本として運用しております。
- なお、女子の居室については、令和5年度に青森福祉庁舎の中庭に女子棟を整備して個室化を図っております。
- 男子の居室につきましては、必要に応じて個室対応しており、令和八年度に大規模改修の設計をすることとし、個室化についても進めることとしております。
【質問②】 委託一時保護先の確保に向けた県の取組について伺いたい。
そして、委託一時保護についても伺います。
一時保護所での受入れが難しい場合や、子供の状況に応じて外部に保護を委ねる委託一時保護について、令和6年度は、児童福祉施設や里親への委託人数が減少する一方、警察への委託が44人となり、前年度から8人増えています。
夜間や緊急時を含め、福祉的な受皿への円滑なつなぎに課題があるのではないでしょうか。
本来であれば、傷ついた子供たちは、できる限り家庭的な環境や専門的なケアが可能な福祉施設で保護されるべきです。
夜間対応も含めた里親の確保や児童福祉施設などとの連携強化など、子供たちを確実に受け止める委託先を安定的に確保していくことが必要だと考えます。
そこで、委託一時保護先の確保に向けた県の取組について伺います。
回答:こども家庭部長(若松伸一)
- 委託一時保護先の確保に向けた県の取組についてです。
- 県では、県の一時保護所で児童を受け入れることができない場合、児童養護施設やファミリーホーム、里親等に一時保護を委託して対応しております。
- これらの施設等で受け入れた児童の実人員数は、令和5年度が368人、令和6年度が263人であり、いずれも県の一時保護所で受け入れた実人員数を上回っております。
- また、児童養護施設1か所とファミリーホーム2か所が一時保護専用施設を設置し、児童を一時保護できる体制を強化しているところです。
- 県としましては、一時保護専用施設の増加に努めるとともに、里親登録希望者等への委託一時保護制度の周知や、一時保護に関わる施設職員等の専門性向上のための研修の実施などを通じて、委託一時保護先の確保に引き続き努めていきます。
【再質問】 県内の自立援助ホームについて、地域偏在の状況を改善すべきと考えるが、県の見解について伺いたい
先日、後藤議員からも質問がありましたけれども、社会的養護を必要とする子供の居場所の確保に関連して、自立援助ホームのことに関して質問します。
私が問題だなと思うのは、県内全体で空きがあるかどうかだけでなく、地域や性別によって行き先が限られてしまう偏在の問題だと思っています。
例えば、青森市には女子が入れる自立援助ホームはあるんですけれども、男子が入れる自立援助ホームがないんですね。
そうなると、青森市周辺で保護が必要になった男子の子供は遠方を選ばざるを得ない場面も出てくると。
これは、その子が今の暮らしや通学環境、人とのつながりを保ちながら支援を受けられるかという問題でもあります。
県の計画でも委託一時保護先の確保を拡充していく方針が示されています。
先ほどの答弁にもありましたけれども、国においても、自立援助ホーム等で一時保護児童を受け入れる体制整備を後押しする仕組みがありますし、例えば、岐阜県では創設援助を活用して整備を進めていたりします。
本県としても、満床かどうかだけで判断するのではなくて、地域偏在によって行き先が限られている現状を重く受け止めながら、未設置地域の解消に向けて支援の在り方を検討していく必要があるのではないかと思っています。
そこで、県内の自立援助ホームについて、地域偏在の状況を改善すべきだと考えますが、県の見解を伺います。
回答:こども家庭部長(若松伸一)
- 自立援助ホームは、本年1月時点で八戸市に3か所、青森市、弘前市、六戸町に各1か所の計6か所が設置されております。
- 各施設の定員の合計は35名となっておりまして、本年1月時点の利用者数は12名と定員を下回っております。
- また、ここ数年間で一時的に満床となった施設はございますが、ほぼ定員を下回っている状況となっております。
- これらのことから、県としましては、関係者の意見も聞きつつもではありますが、現時点では新たな施設の設置の必要性はそれほど高くないものと考えております。
現時点で創設支援までは必要ないという考えは分かります。
ただ、やっぱり見なければいけないのは、県内全体の空きの有無ではなくて、地域や性別によって行き先が限られてしまうという偏在の問題だと思っています。
せっかく国の制度もあるので、未設置地域の解消や偏在の是正に向けて。
そして一時保護の先も、県の一時保護の先が足りていないから委託を使っている、それを増やしていくということなので、自立援助ホームの創設とかも含めながら、そうやって増やしていくというのは十分あり得ることだなと思いますので、ぜひ検討していただければと思います。
障がい者雇用の促進について
次に、障がい者雇用の促進についてです。
働くということは、単に収入を得るためだけではありません。
社会とつながり、自分の役割や居場所を見つけるという人としての根っこの喜びにもつながるものです。
障がいのある方々も地域で自立したい、誰かの役に立ちたいという思いを強く持っています。
しかし、現実の就職活動や職場定着にはまだ高い壁があります。
国が定める法定雇用率は段階的に引き上げられていますが、現場の中小企業からは、雇用したい気持ちはあるけれども、どのような業務を任せればよいか分からない、体調面の変化などに自社だけで対応し切れるか不安だという意識があったりするのではないでしょうか。
企業側が後ろ向きなのではなく、やり方やノウハウが分からず困っている、そこが実情なのだと思います。
一方で、働く意欲のある当事者や家族の側からは、面接がなかなか通らない、就職しても職場の理解が十分得られず、短期間で辞めざるを得なかった、企業で障がい者雇用として働くことに少しちゅうちょがあるといった声もあります。
働きたい人と雇いたいが不安を抱える企業、その間にあるミスマッチや支援の空白を埋めなければ、数字の目標だけでは本当の意味での雇用促進は進みません。
企業が安心して障がい者を迎え入れ、双方が働き続けられるような実効性のあるサポート体制を県全体でつくっていく必要があると考えます。
【質問①】 県内企業における障がい者の実雇用率と、企業が障がい者を雇用する上での課題について県はどのように認識しているのか伺いたい。
そこで伺います。
県内企業における障がい者の実雇用率の現状と、企業が障がい者を雇用する上での課題について、県はどのように認識しているのか。
回答:こども家庭部長(若松伸一)
- 県内企業における障がい者の実雇用率と企業が障がい者を雇用する上での課題の認識です。
- 県内企業における障がい者の実雇用率については、国の令和7年障害者雇用状況の集計結果によると、令和7年6月1日現在で2.48%で、全国の2.41%を0.07ポイント上回っております。
- 企業が障がい者を雇用する上での課題については、国の令和五年度障害者雇用実態調査によると、一つとして、会社内に適当な仕事がないこと、二つとして、障がい者を雇用するイメージやノウハウがないこと、三つとして、採用時に適性、能力を十分把握できないことなどを課題とする企業の割合が高くなっており、県では、こうした課題に対応する必要があると認識しております。
【質問②】障がい者雇用の促進に向けて、県はどのように取り組んでいくのか伺いたい。
また、その課題認識を踏まえて、障がい者雇用の促進に向けて、県は今後どのように取り組んでいくのか伺います。
回答:知事(宮下宗一郎)
- 障がい者雇用の促進に向けた県の取組についてお答えいたします。
- 県では、県内六圏域に設置した障害者就業・生活支援センターにおいて、障がい者の就業に関する相談対応から職場実習のあっせんや職場定着に向けたフォローアップまで一貫した支援を行っております。
- また、障がい者の雇用を検討している企業を対象として、障がい者が働きやすい職場づくりに関するセミナーや企業見学会を開催するほか、優良事例や採用後に配慮が必要となることを雇用事例集で紹介するなど、引き続き関係機関と緊密に連携しながら、障がい者雇用の促進に積極的に取り組んでまいります。
【再質問】県内には数多くの障がい者支援機関があるため、ワンストップで支援できる体制が必要と考えるが、県の見解を伺いたい。
障がい者雇用の促進についてです。
障がい者雇用を進める上で、企業にとって最初の壁になりやすいのは、どんな仕事を任せればよいのか分からないという点があると思います。
現状では求人だったり、実習であったり、定着支援だったり、相談先がいろいろと分かれていると。
そもそも、これはどこに相談すればいいのだろう、初めて取り組む企業ほど戸惑いやすいのではないかなと思います。
だからこそ、支援員が企業に出向いて業務の切り出し― 何の仕事を任せればいいか分からない、では、こういう仕事を切り出してやればいいんだよといった切り出しや配慮を一緒に考えたり、実習、マッチング、定着支援まで切れ目なくつなぐことが大切だと思います。
これは単に福祉の話にとどまるものではなくて、人手不足に悩む企業にとっての人材確保にもつながる視点だと思っています。
県内の支援機関を束ねるワンストップ型の支援体制なども必要だと思うんですけれども、県の見解を伺いたいと思います。
回答:こども家庭部長(若松伸一)
- 障がい者雇用を促進するためには、障がい者や企業に身近な地域で対応する必要があることから、各圏域に設置しております障害者就業・生活支援センターが、国や県、市町村などの支援機関と連携して、就業から職場定着まで一貫した支援をワンストップで行っております。
- また、各地域において、支援機関が有機的に連携して対応する必要があることから、支援機関の職員が支援事例や課題を共有し、相互理解を深める意見交換会の開催などを通じてそれぞれの機関がそれぞれの役割をしっかり果たしつつ、しっかりと連携体制を強化した上で取り組んでいきたいと考えております。
今現在も連携自体はある程度できていると思うんです。
ただ、やっぱり外から見て、どこか一つに相談すれば必要な支援につながるというのがぱっと見て分かるような、企業から見て分かりやすい形になっているかどうかというのも大事だと思います。
特に初めて障がい者雇用に取り組む企業にとって、まずここに相談すれば大丈夫なんだと見えること、そして、企業に出向く伴走型の支援というのをさらに強めていっていただきたいと思います。
林業従事者の確保について
次に、林業従事者の確保についてです。
先日の一般質問の中で、知事は、森林は全ての農林水産業の基礎とおっしゃいました。
私も全くそう思います。
青森は、スギや青森ヒバなど、全国有数の豊かな森林資源を持っています。
しかし、そのポテンシャルを十分に生かし切れておらず、林業労働者の高齢化や後継者不足が大きな課題となっています。
私は、これからの林業は、単なるきつい仕事ではなく、地域の経済と環境を回す未来のかっこいい成長産業になれると考えています。
会派の視察で岐阜県立森林文化アカデミーを訪問し、大変感銘を受けました。
そこでは、森の問題は人の問題であるという理念の下、木を切る技術だけでなく、建築やデザイン、地域との協働も含めた人づくりが行われていました。
【質問①】 青い森林業アカデミーの研修生確保に向けた県の取組について伺いたい。
本県にも青い森林業アカデミーという学びの場があります。
林業を魅力的な職業として力強く発信し、県内外から青森の山で働きたいという熱意ある若者を集め、育てていくことが地域循環型経済の基盤となるはずです。
また、将来の担い手を育てるという点では、子供の頃から森林や木材に親しむ機会を持つことも重要です。
森に入ったこともないまま林業を志すのは簡単ではありません。
岐阜県のアカデミー敷地内には、子供たちが森を五感で体験できる教育拠点「morinos」が整備されていました。
森に入ったこともないのに林業を志すのは難しいという言葉のとおり、園児たちが自然の中を走り回る姿を見て、これこそが十年、二十年先の担い手づくりなのだと痛感しました。
本県においても、幼い頃から青森の木に触れ、森の匂いを感じる木育の原体験をつくることが、将来、青森の森を守る仕事がしたいという若者を生み出す道であると思います。
そこで、青森の林業の明るい未来を共につくる観点から伺います。
一つ、青い森林業アカデミーの研修生確保に向けた県の取組について。
回答:知事(宮下宗一郎)
- 青い森林業アカデミー研修生確保に向けた県の取組についてお答えいたします。
- 県では、本年1月に今後のアカデミーの運営指針となる「Next Vision」を策定し、指導体制の強化、研修環境の改善、幅広い林業人材の獲得・育成の三つの方針を掲げ、より充実した魅力あるアカデミーとなるよう取組を進めていくこととしております。
- 具体的には、カリキュラムを充実し、講師を増員するほか、高性能林業機械のシミュレーターの導入など、より高度な研修環境を整備します。
- また、オープンキャンパスの開催やSNSによる情報発信の強化等を通じてアカデミーの魅力をアピールし、多様な人材の確保につなげてまいります。
【質問②】 林業従事者を確保するためには、こどもの頃から森林や木材に親しむことが重要と考えるが、県の取組について伺いたい。
また、将来の林業従事者を確保するため、子供の頃から森林や木材に親しむことが重要と考えますが、本県の取組について伺います。
回答:農林水産部長(成田澄人)
- 子供の頃から森林や木材に親しむことを通じた林業従事者の確保に関しまして、県の取組についてお答えいたします。
- 県では、子供の頃から森林の役割や林業についての理解醸成を図るため、県内各地で組織されている緑の少年団などを対象に、林業体験学習や木工教室を開催しているほか、企業、団体が行う植樹活動の指導を行っています。
- また、中学生や高校生に森林、林業の魅力を伝えながら、林業の仕事をPRするため、出前講座のほか、伐採現場でのチェーンソーなどの操作体験を行っているところです。
動物の虐待等について
先ほど児童虐待のことに触れましたが、続いては、動物の虐待等についての質問です。
警察庁の統計では、動物虐待事犯の検挙事件数は、近年、高水準で推移しており、2023年、全国では181事件と過去最多となりました。
2024年も160事件が検挙されており、深刻な状況が続いています。
これは、一部の特殊な人だけの問題ではありません。
今、日本のあちこちで声を上げられない小さな命が傷つけられ、見捨てられています。
本県でも決して人ごとではありません。
過去には猫を水に沈めたり、柴犬の腹部を包丁で刺し、臓器の一部を切って傷つけたという言葉を失うような事件もありました。
さらに、虐待は、こうした分かりやすい暴力だけではありません。
餌や水を十分に与えない、病気でも受診させない、不衛生な環境に置き続けるといったネグレクトも虐待です。
環境省も、近年、ネグレクトや多頭飼育崩壊の事例が目立つとしています。
飼い主の孤立、高齢化、生活困窮、心身の不調など、人間側の問題が背景にあり、気づいたときには動物も人も追い詰められていることが少なくありません。
多くの県民にとって動物は単なるペットではなく、喜びも悲しみも分かち合うかけがえのない家族です。
言葉を話せず、自ら助けを求めることが難しい小さな命が理不尽に脅かされる、そうした事案を見聞きするたびに強い憤りを覚えます。
動物の悲惨は人間がつくり出してしまいます。
私は、動物への虐待を見過ごす社会は、弱い者の痛みに鈍い社会だと思います。
だからこそ、県には、相談を受けた段階で小さな異変を見逃さず、警察、福祉、市町村、関係団体としっかり連携し、早く介入する体制が求められます。
【質問】 動物の虐待等について、今年度の相談件数と、虐待等が疑われる場合の県の対応について伺いたい。
そこで、動物の虐待等についての今年度の相談件数と、虐待等が疑われる場合の県の対応について伺います。
回答:知事(宮下宗一郎)
- 動物の虐待等に関する今年度の相談件数と、虐待等が疑われる場合の対応についてお答えいたします。
- 動物の虐待のおそれがある事案や虐待につながる不適正な飼養等として、今年度、県に寄せられた相談件数は、令和8年2月末現在、4件となっております。
- 県では、動物の虐待等に関する情報を探知した際には、動物愛護センターの職員が現地確認を行い、不適正な飼養等が認められた場合には、動物の飼養者に必要な指導や助言を行い、その後も継続して改善状況を確認しております。
- また、飼養者が指導に従わず改善がなされない場合や、現地確認時に動物をみだりに殺傷するなど悪質な事案であることが疑われた場合には、告発も視野に入れながら警察等と連携して対応しています。
【再質問】 県が闘犬を虐待に当たらないと考える根拠について伺いたい。
動物の虐待等についてです。
私が今回、特に強い危機感を持って訴えたいのが闘犬についてです。
県内では、これまで闘犬が行われてきたと新聞などでも報じられています。
最近でも昨年の6月15日にむつ市で開催されたという情報があるんですね。
SNS上の動画でも、例えばそういった闘犬の様子、犬同士が土俵の中でかみつき合っている様子というのが明確に確認できます。
誤解のないように申し上げたいんですが、私は土佐犬を飼うこと自体を問題にしているのではありません。
ピットブルであったり、「わさお」で有名な秋田犬だって、かつて闘犬に使われていましたが、今は日本ではこの犬種では行われていません。
問題なのは、人がわざわざ闘犬の場所を設けて訓練した犬同士を戦わせて、傷つけ合わせるという行為そのものだと思っています。
場合によっては命を落とすこともあるんです。
私は、これは虐待に当たるのではないかと強く考えるんです。
環境省も動物虐待等に関する対応ガイドラインの中で、動物を戦わせる行為は、積極的、意図的な虐待に当たり得るとの考え方を示しているんですね。
そこで、県は闘犬が虐待に当たるかどうかというか、そうした部分の判断をどのような根拠で判断しているのか見解を伺いたいと思います。
回答:健康医療福祉部長(守川義信)
- 国におきましては、闘犬が伝統行事として行われているものであり、必要な限度を超えて動物に苦痛を与えるような手段、方法を用いた場合を除き、虐待に該当しないとの見解を示しています。
- 県では、国の見解に基づき、現時点では、動物愛護の観点から闘犬という行為を規制すべき状況にはないと考えています。
- 動物の虐待等に関する相談、通報があれば、動物愛護センターの職員が現地を確認し、虐待のおそれがある場合は、環境省の示すガイドライン等を踏まえ、必要な指導や助言を行うとともに、動物をみだりに殺傷するなど悪質な事案であることが疑われる場合は警察に相談、通報しますが、個別の事案が虐待に当たるかどうかについては、最終的には司法により判断されるものと考えています。
【再々質問】
恐らく国の実際の答弁とかがあると思うんですけれども、私もこの答弁書は見ました。
これは昨年11月の参議院のものであったかなと。
例えばそういったものも根拠にされていると思うんですけれども、この答弁書において、闘犬が一律に問題ないということを言っているわけではないんですね。
目的や手段、苦痛の程度、そして社会通念の変化を踏まえて慎重に判断すべきだと。
さらに、神奈川県であったり、石川県の自治体の独自の禁止条例の例も挙がっているんですね。
そうである以上、県がまずやるべきなのは実態を把握すべきなのではないかと思うんです。
現場を見ないで本県で行われている闘犬が社会通念上許される範囲内であるとどうして言えるのか、そういったところも伺いたいと思うんですね。
国も地域性や時代性によって社会通念は変わるとしている以上、本県としてもまず実態を把握して、その上で必要な対応を検討すべきではないかなと思うんです。
国で明確に定めていないことを理由にせずに、本県でも闘犬の在り方というのを真剣に考えるべきだと思います。
本県で行われている闘犬の実態をまずきちんと把握して、その上で動物福祉などの観点、あと、風俗上の問題、公安の観点もあるのかもしれないんですけれども、そういった必要な対応やルールの在り方を検討すべきだと思うんですけれども、知事、所見はいかがでしょうか。
回答:健康医療福祉部長(守川義信)
- 動物の愛護及び管理に関する法律等の関係法令及び県条例の運用上の課題は見受けられないことから、現時点で闘犬等取締り条例の制定に向けた実態調査等に関しましては、必要ないと考えております。
今の国の法律ではやっぱり明確に線引きすることはなかなか難しいのは分かります。
個別の事案というのもそれは分かるんですけれども、やっぱり闘犬の在り方、青森で行われている、それをわざわざ戦わせなければいけないのか。
かみ合わせて戦わせる戦い方じゃなくてもいいんです。
例えば闘犬だったとしても、毛並みが美しいとか、立派だとか、いろんなやり方があると思うんですよ。
それをかみ合わせる、けがをします。
また闘犬がかむように訓練するようなかませ犬も、やっぱり傷つくんです。
そうしたことも考えて、本県として闘犬の在り方というのを考えていくべきだと思っています。
不登校児童生徒への支援について
ここからは教育関連の質問です。
まず、不登校児童生徒への支援についてです。
先日の田名部議員の代表質問でも触れられましたが、県内の公立小・中学校における不登校児童生徒数は2844人と十年連続で増加し、過去最多を更新しました。
今、学校に行けずに苦しんでいる子供たちがいて、そのそばでどう支えたらいいのか分からず悩んでいる保護者がたくさんいるということです。
子供が不登校になると、保護者はまず大きな不安を抱えます。
けれども、誰に相談したらいいのか、どこにつながればいいのか分からず、一人で抱え込んでしまうことも少なくありません。
学校の先生は最も身近な相談相手ですが、現場の教職員も日々多くの役割を担っています。
だからこそ、学校任せにするのではなく、子供本人や保護者が安心して相談できる体制をもっと分かりやすく整えていく必要があると考えます。
特に保護者は、このままで大丈夫なのか、学びはどうなるのか、将来はどうなるのか、そうした不安を抱えながら過ごしています。
早い段階で相談につながり、必要な支援につなげていけることがとても大事だと思います。
【質問】 本県の公立小・中学校における不登校児童生徒及び保護者に対する県教育委員会の支援について伺いたい。
そこで伺います。
本県の公立小・中学校における不登校児童生徒及びその保護者に対して、県教育委員会としてどのような支援を行っているのか伺います。
回答:教育長(風張知子)
- 公立小・中学校における不登校児童生徒及び保護者に対する支援についてです。
- 県教育委員会では、不登校児童生徒の居場所となる校内教育支援センターを各学校に設置し、支援に当たることが重要であると考えており、校内教育支援センターが児童生徒にとって居心地のよい場所となるよう、環境整備のための物品購入のほか、不登校傾向にある児童生徒の学習支援や相談活動を行う専任の支援員の配置を支援しています。
- また、不登校児童生徒及び保護者が悩みや対応などを相談できるよう、学校へスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを派遣するとともに、24時間子供SOSダイヤル等の電話相談窓口の設置や県総合学校教育センター内へのこころの教育相談センター設置により、一人で悩みを抱え込まないよう支援を行っています。
【再質問】 不登校児童生徒や保護者支援における、相談につながっていない層の把握とアウトリーチについて伺いたい。
次は、不登校児童生徒への支援についての再質問です。
不登校支援なんですけれども、私がまた思うのは、不登校支援が必要なのに相談窓口にすらつながれていないという親子が確実にいるということです。
これは本当にしんどい御家庭ほど親御さん自身が疲れ切って、自分を責めて、助けを求める気力を失っています。
困ったら相談してくださいという待ちの支援だけではそうした層には届かないのかなと思っています。
だからこそ必要なのは、学校や行政の側から働きかけるアウトリーチだと思っています。
そこで質問しますが、支援につながっていない不登校児童生徒や保護者を県としてどう把握して、具体的にどうアウトリーチしていくのか見解を伺います。
回答:教育長(風張知子)
- 令和6年度の文部科学省調査では、全国の小・中学校等の不登校児童生徒のうち、学校内外の機関で専門的な相談、指導等を受けていない児童生徒数は13万5724人で、不登校児童生徒に占める割合は38.3%となっています。
- また、学級担任等も含め、全く支援につながっていない児童生徒数は1万4965人で、不登校児童生徒に占める割合は4.2%となっています。
- 文部科学省が公表している以上の情報は、統計法に基づき公表していないため、お答えすることはできませんが、本県における個々の児童生徒の状況については、各市町村教育委員会が把握し、対応を行っています。
- 不登校児童生徒の元へ出向いて支援を行っている事例としては、学校、市町村教育委員会、福祉関係機関等による家庭訪問を行っております。
公立夜間中学について
続いて、公立夜間中学についてです。
本県で初めてとなる公立夜間中学校について、青森市では令和9年4月の開校を目指して準備が進められています。
2月28日に校名の募集も終わったところです。
どのような校名になるのか私も楽しみにしています。
(※「青森市立青嶺のぞみ中学校」に決定された)
様々な事情で義務教育を十分に受けることができなかった方々にとって、夜間中学は単なる学び直しの場ではありません。
失われた学びの機会を取り戻し、社会とのつながりを取り戻し、そして、自分の居場所をもう一度見つけていくための大切な場だと思います。
学ぶことは、ただ知識を得ることではないと思います。
自分を取り戻すことでもある、生きる力を取り戻すことでもある。
私も関わらせてもらっている自主夜間中学の場で、利用者の皆さんの生き生きとした姿を見ていると、そのことを強く感じます。
県の調査でも、夜間中学で学びたい人がいる、知らせたい人がいるといった声が380人以上から寄せられています。
こうした現状を見れば、多様な学びの受皿の整備は待ったなしの課題です。
原則として4月入学としながらも、10月入学や途中編入にも柔軟に対応する方針が示されている青森市の公立夜間中学ですが、とても大事なことだと思います。
当事者の側に立って制度をつくろうとしている、その姿勢を心強く受け止めています。
ただ、その中で私が重く受け止めたいのは学齢期、つまり、本来であれば小・中学校で学んでいるはずの時期にある子供たちにどう扉を開いていくのかということです。
今、学校に行けずに苦しんでいる子供たちがいます。
毎朝学校に行けないことで自分を責めている子もいる、周りに置いていかれるような不安の中にいる子もいる。
けれども、今の学校には通えなくても、環境が変われば通えるかもしれない、ここなら自分を受け入れてもらえるかもしれない、そう感じる子供たちは必ずいるはずです。
そうした子供たちにもう一度学びにつながる機会をどう確保していくのか、これは本当に大きな課題です。
そして、学校に通えないまま十分に学ぶことができず、卒業という形だけが先に来てしまう、いわゆる形式卒業の子供たちをいかに少なくしていくか。
ここにも私たちはもっと真剣に向き合わなければならないと思います。
【質問①】 現在不登校となっている生徒について、青森市で設置予定の公立夜間中学において入学対象者となるのか伺いたい。
そこで、二点伺います。
第一に、今、不登校の状態にある学齢期の生徒は、青森市で設置予定の公立夜間中学の入学対象となるのか伺います。
回答:教育長(風張知子)
- 青森市で設置予定の公立夜間中学における入学対象者についてお答えします。
- 青森市が策定した青森市公立夜間中学設置基本方針によると、入学対象者は青森県内在住で、義務教育を修了しないまま学齢期を経過した方、不登校などの様々な事情により十分な教育を受けられないまま中学を卒業した方、本国や日本において、十分に義務教育を受けられなかった外国籍の方としております。
- 現在不登校となっている生徒については、青森市内の学齢期の生徒が希望する場合、在籍する中学校に籍を置いたまま夜間中学に通う通級により受け入れることとしています。
【質問②】 青森市の公立夜間中学の設置に向けて、県教育委員会ではどのように支援していくのか伺いたい。
第二に、青森市の公立夜間中学の設置に向けて、県教育委員会として市をどのように支援していくのか伺います。
回答:教育長(風張知子)
- 青森市の公立夜間中学の設置に向けた支援についてお答えします。
- 県教育委員会では、青森市における夜間中学の設置は、広く本県における就学機会の充実に寄与するものであることから、国の指標である令和9年度までの設置に向けて、令和8年度は夜間中学が設置される青森市立古川小学校の空き教室等の改修や備品購入などの開設準備を支援することとしています。
- また、県内各市町村や関係団体等にチラシやポスターを配布するなど、夜間中学の開設に係る周知を図るとともに、青森市以外の市町村からの入学希望者に対する調査、募集に協力していきます。
県立盲学校及び県立青森聾学校の併設について
県立盲学校の移転まで、いよいよあと一年となります。
少子化に伴う児童生徒数の減少や校舎の老朽化への対応が必要であることは理解しています。
一方で、盲学校や聾学校は、単に授業を受ける場所ではありません。
子供たちが安心して学び、生活し、将来、社会の中で生きていく力を身につけるための大切な教育の場です。
だからこそ、今回の併設については、当事者である児童生徒や保護者の声を重く受け止める必要があると考えます。
まず、大事なのは、教育の質をきちんと守れるのかという点です。
視覚に障がいのある子供たちと聴覚に障がいのある子供たちとでは必要な支援の在り方が大きく異なります。
併設によって交流の機会が広がる意義はあるとしても、それぞれの学校が長年積み重ねてきた専門性が損なわれたり、教員の負担が過度に増えたりしてはなりません。
盲学校、聾学校の両校のそれぞれの特性に応じた必要な教員配置を確保することが重要です。
また、視覚に障がいのある児童生徒にとっては、校舎が新しくなること以上に、そこへ安全に通えるかどうかが極めて重要です。
通学路が変わるというのは、私たちが思う以上に大きなことです。
白杖を頼りに点字ブロックの感覚や周囲の音、足の裏の記憶を重ねながら通えるようになったこれまで慣れ親しんだ道を離れ、新しい道を一から覚え直さなければいけません。
特に本県の冬は雪によって歩行環境が大きく変わります。
新しい校舎までの道のりで音響式信号機は十分か、除雪は通学時間帯に合わせて行われるかなど、不安の声があるのも当然だと思います。
【質問①】 県立盲学校及び県立青森聾学校の在籍者数の推移について伺いたい。
それでは、質問です。
県立盲学校及び県立青森聾学校の在籍者数の推移について伺います。
回答:教育長(風張知子)
- 県立盲学校及び県立青森聾学校の在籍者数の推移についてお答えします。
- 県立盲学校及び県立青森聾学校の在籍者数については、両校とも昭和50年度前後の100人程度をピークに減少傾向にあり、ここ10年はそれぞれ20人前後で推移し、令和7年5月1日現在の在籍者数は、県立盲学校15人、県立青森聾学校14人となっています。
【質問②】 県立盲学校及び県立青森聾学校が併設されることに伴い、教員をどのように配置するのか伺いたい。
次に、両校が併設されることに伴い、教員をどのように配置するのか伺います。
回答:教育長(風張知子)
- 県立盲学校及び県立青森聾学校の併設に伴う教員配置についてお答えします。
- 県立盲学校及び県立青森聾学校の校舎は一体となりますが、それぞれ独立した学校とすることとしています。
そのため、教員の配置については、基本的に現在と同様に、各学校それぞれの学級数や児童生徒数、寄宿舎の有無、児童生徒の障がいの特性等を踏まえて検討していくことになります。
【質問③】 校舎移転後の視覚に障がいのある児童生徒の通学時の安全確保について、県教育委員会はどのように進めているのか伺いたい。
そして、スクールバスなどの運行を行うなど、移転に伴い、改めて通学の利便性や安全確保をすべきと考えます。
校舎移転後の視覚に障がいのある児童生徒の通学時の安全確保について、県教育委員会はどのように進めているのか。
回答:教育長(風張知子)
- 校舎移転後における児童生徒の通学時の安全確保についてお答えします。
- 通学環境の整備に当たっては、現在の県立盲学校周辺の環境を参考に、歩行者が足の裏の感覚で路肩の位置を意識できるリブ付外側線の設置など、必要な対策を講じられるよう、関係機関と連携しながら環境の改善に努めています。
- また、移転後も自宅が遠方にあるなどの理由で通学が困難な児童生徒の学習機会を確保するために寄宿舎を設置するほか、希望する児童生徒が利用できるスクールバスを運行する予定としています。
公益財団法人青森県育英奨学会が運営する青森県学生寮について
最後の質問は、公益財団法人青森県育英奨学会が運営する青森県学生寮についてです。
議場で何度も質問してきた青森県学生寮に関してですが、昨年の7月に閉寮が決まったとの発表がありました。
入寮者の減少や女子学生が入寮できない問題が解消されないまま閉寮となってしまいました。非常に残念です。
閉寮は決まりましたが、例えば逆にこの機会を生かして、施設が役割を終えるその日まで、青森の未来を担う若者たちの世代間交流の拠点として前向きに活用する、そうした柔軟な発想で社会人の一部受入れだったり、入居要件の緩和を検討することなども考えてみてもいいのではないかなと思います。
大学進学は本人の努力や意欲だけで実現できるものではなく、家庭の経済状況や居住地によって大きく左右されるという現実があります。
授業料だけでなく、住居費や生活費、入学時の初期費用など、家計に重くのしかかる負担が幾つもあります。
そうした中で、青森県学生寮は、単に安価な住まいを提供するだけでなく、経済的不安を軽減する、安心して学んで生活する、また、コミュニティーをつくったり、青森との結びつきを再認識したりと、大きな役割を果たしてきたと思います。
特に都市部での住まい探しに不安を抱える生徒や保護者にとって、県ゆかりの学生寮の存在は、経済面に加えて心理的な安心感という意味でも意義があったはずです。
それだけに今回の閉寮決定は、単なる施設の廃止にとどまらず、本県の若者の進学機会をどう支えていくのかという観点としても受け止める必要があると思っています。
ライフスタイルによる利用状況の変化や施設の老朽化、運営上の事情など、様々な背景はあったのでしょう。
ただ、なぜ閉寮に至ったのか、どのような検討を経て判断されたのかが見えにくいままでは不安だけが残りかねません。
また、学生寮という選択肢がなくなるのであれば、その分、別な形で進学を支える手だてを充実させていく必要があると思います。
奨学金の充実はもちろん、入学時の負担や家賃負担への対応も含めて、大学進学者などへの支援をこれまで以上に手厚くしていく視点が求められるのではないでしょうか。
【質問①】 閉寮決定の経緯について伺いたい。
それでは、質問いたします。
公益財団法人青森県育英奨学会が運営する青森県学生寮の閉寮決定の経緯について伺います。
回答:教育長(風張知子)
- 青森学生寮の閉寮決定の経緯についてお答えします。
- 青森県学生寮は、昭和56年の建設以来44年が経過し、老朽化に伴う大規模な改修が課題となるとともに、入寮者数は、定員100人のところ、平成25年度頃から50人から60人程度となり、令和4年度以降は30人台に減少し、入寮者数の減少に伴う運営費の確保が課題となっています。
- 青森県育英奨学会では、これらの課題を踏まえ、学生寮の在り方について検討を進めてきましたが、建物のさらなる老朽化や学生のライフスタイルの変化が進み、これらに対応しながら運営していくことは困難であることから、令和7年6月に開催された理事会及び評議員会において、令和10年度末での閉寮を決定しました。
【質問②】 閉寮決定を踏まえ、大学進学者等に対する一層の経済的支援が必要であると考えるが、県教育委員会の見解を伺いたい。
また、閉寮決定を踏まえ、大学進学者等に対する一層の経済的支援が必要であると考えますが、県教育委員会の見解を伺います。
回答:教育長(風張知子)
- 閉寮決定を踏まえた大学進学者等への経済的支援に係る見解についてお答えします。
- 青森県育英奨学会では、学業、人物が優れているにもかかわらず、経済的理由により修学が困難な青森県人の子弟に対し、無利息で大学奨学金及び大学入学時の奨学金の貸与事業を実施しています。
- 大学奨学金事業については、青森県学生寮閉寮決定後、より多くの学生が利用できるよう、これまで所得要件の算定に当たり、世帯全体を対象として判定していたものを、父母を基本とした保護者等のみで判定することとし、さらに所得金額の基準を下げる見直しを行いました。
- 県教育委員会では、本県の高校生が経済的な理由により大学への進学を諦めることのないよう、引き続き、青森県育英奨学会と連携して取り組んでいきます。

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