路線バスの利便性向上等についての質問

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路線バスの利便性向上について

 先日の県外調査において、長崎県と熊本県を訪問いたしましたが、私自身、長崎市を訪れるのは初めてであり、街並みや景観なども青森市とは大きく異なり、九州ならではの魅力を改めて感じたところです。
 長崎市では公共交通MaaSの取組について説明を受け、また、熊本市では熊本城の視察や、半導体産業に関する説明などを伺いました。こうした県外調査の内容を踏まえ、本日は質問をさせていただきたいと思います。

 まず初めに、路線バスの利便性向上について伺います。先ほど井本副委員長からも関連する質問があり、自動運転バスについての話題が出ておりましたが、長崎市で意見交換を行った際、路線バスの利用実態についてのお話を伺いました。
 その際に示された資料によりますと、平成22年国勢調査時点の数値ではありますが、全国平均の公共交通利用割合が6.8%であるのに対し、長崎市では乗合バスを利用する割合が約30%と非常に高く、現在も約20%で推移しているとのことであり、大変高い水準であるとの印象を受けました。

【質問①】本県の路線バスの利用状況について伺いたい。

 その中で、担当者の方から、参考として調べたところ、青森市では公共交通、特に路線バスの利用割合が約3%であるとの説明もあり、地域による違いの大きさを改めて実感したところです。
 もちろん、長崎市は坂が多い地形であることや、駐車場の事情など、地域特性の違いがあることは承知していますが、こうした状況を踏まえ、まず、本県における路線バスの利用状況がどのようになっているのかについて、確認をさせていただきたいと思います。

回答:金沢地域交通・連携課長
  • 令和2年度の国勢調査によると、県内在住の通勤・通学者における路線バスの利用者は全体の約4.1%となっており、全国平均の6.3%に比べると、通勤・通学時の交通手段としての路線バスの利用割合は低くなっています。
  • また、県内の高速バスを除く路線バスの輸送人員は、昭和44年度の1億3,398万人をピークに減少を続け、令和5年度には2,031万6,000人とピーク時の約15%まで減少しており、コロナ禍前の令和元年度の2,425万7,000人と比べても約84%にとどまっています。

 路線バスの利用者数は、昭和44年頃、いわゆる昭和30年代から40年代にかけてピークを迎えており、当時の写真などを見ても、バスをはじめとする公共交通が活発に利用され、街ににぎわいがあったことがうかがえます。
 それと比較すると、現在は利用者数が大幅に減少しているとのことであり、コロナ禍以前と比べても、なお減少傾向にあるとの説明でした。

 そこで伺いますが、利用者が減少している要因について、例えば通勤・通学といった利用目的別、あるいは年齢層別など、特に減少が顕著となっている属性が把握されているのかについて、お伺いいたします。

回答:金沢地域交通・連携課長
  • そこまでの資料は持ち合わせておりません。

 路線バスの利用者数が減少している背景には、さまざまな要因があるものと考えますが、やはり、どの属性の方々の利用が特に減少しているのか、時代的な変化の影響も含め、丁寧に分析していただくことが重要であると思います。
 そうした分析結果を、本県の今後の施策にぜひ生かしていただきたいと考えております。

【質問②】路線バスの利便性向上に向けた県の取組について伺いたい。

 また、路線バスをより多くの方に利用していただくためには、利便性の向上が極めて重要であると認識しております。
 これまでにも、花田委員からモビリティデータの活用に関する質問があり、それを活用して利用促進につなげていくとの答弁があったと承知しております。
 実際に、県においても、GTFSデータの整備を進め、県内のどこにいても路線バスの時刻表や乗り継ぎ状況などを確認できる環境を整備していくとのことであり、こうした取組は大変重要であり、ぜひ着実に進めていただきたいと考えております。

 そこで、これらを含め、路線バスの利便性向上のため、現在、県としてどのような取組を進めているのかについて、お伺いいたします。

回答:金沢地域交通・連携課長
  • 県では、今年度、定時定路線型バスについて、運行時刻や経路、運賃情報などから構成されるモビリティデータを整備し、グーグルマップをはじめとする経路検索サービスに登録することで、路線バスの利便性向上を図ることとしています。
  • また、昨年度から弘前市八戸圏域の2地域でMaaSの実装に向けた取組を進めています。
    • 弘前市では、昨年度から路線バス、鉄道、乗合タクシーを対象とする定額利用サービスの実証を行っており、今年度は国の補助制度を活用して実証を行っています。八戸圏域では、八戸市中心街から南部町、三戸町方面への路線バスの最終便が終了した後の移動手段の確保を目的として、路線バスと青い森鉄道を組み合わせたデジタルチケット販売の実証に取り組んでいます。
  • 県としては、引き続き、デジタル技術の活用による路線バスの利便性向上に積極的に取り組んでいきたいと考えています。

 これも長崎での調査時の話ですが、長崎をはじめ九州地域では、MaaSの取組が非常に進んでおり、アプリ一つでさまざまな交通データを利用できるほか、商品造成の際にも、交通事業者が比較的容易にサービスを構築できる環境が整っていると伺いました。
 こうした状況を踏まえますと、デジタル技術の活用や基盤整備についても、本県としてしっかり取り組んでいく必要があると強く感じております。

 MaaSについては、今後、本県においても取組を進めていくとのことですが、弘前市や八戸市での取組内容なども踏まえながら、県全体として、より一層推進していただきたいと考えております。
 そこで、現在進められている路線バスに関するモビリティデータについて、いつ頃から供用開始となり、県内全域で活用できるようになる予定なのか、お伺いいたします。

回答:金沢地域交通・連携課長
  • 来年の3月から使えるように整備を進めているところでございます。

 来年3月から供用開始とのことで、令和8年4月からはさまざまな機能が活用できる状況になるものと理解しております。
 県内全域に向けて丁寧な周知を行い、便利に使えるようになったという点がしっかり伝わるよう、広報や周知に積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 そうした取組を通じて、路線バスの利用者増加につながることを期待しておりますので、引き続き積極的な対応をお願いしたいと思います。

現在、県内多くの市町村で、グーグルマップで路線バスの運行状況、行先、時刻等を確認できる。

教育旅行の誘致について

 次の質問に移ります。
 先ほど、北向委員からもローカル鉄道を活用した教育旅行についての質問がありましたが、私からも教育旅行の誘致について伺いたいと思います。

 今回の県外調査で熊本城を改めて視察し、さまざまなことを感じました。
 私が以前に熊本を訪れた際は、地震発生直後であり、熊本城は再建の途上にありましたが、久しぶりに訪れてみると、かなり復旧が進んでおり、それでもなお完全復旧までには27年間を要するとの説明を受けました。
 そうした復興の過程を含め、現地の状況を多くの方に見ていただく取組が進められており、現地には多くの修学旅行生の姿も見られ、教育旅行の重要性を改めて実感したところです。

【質問①】令和4年から令和6年の本県における県外からの教育旅行の入込実績について伺いたい。

 本県にも、豊かな自然資源をはじめ、歴史や文化など多様な魅力ある資源がありますので、教育旅行の誘致に一層力を入れていただきたいと考えております。
 そこで、令和4年から令和6年までの期間における、県外から本県への教育旅行の入込実績についてお伺いいたします。

回答:小橋誘客交流課長
  • 本県における県外からの教育旅行の延べ宿泊者数は、令和4年が625校で3万3,676人、令和5年が488校で2万2,914人、令和6年が656校で3万2,450人となっています。
  • 令和6年の延べ宿泊者数を出発地域別の割合で見ると、東北が全体の31%で最も多く、次いで北海道が18%、関東が16%であり、令和4年、5年についても同じ順序となっています。

 東北や北海道からの入込が多く、全体の約半分を占めているとのことですが、関東は16%にとどまっているということでした。
 距離的に近く、行きやすいという要因はあると思いますが、今後は関東圏をはじめ、関西圏などについても、さらに力を入れて誘致を進め、入込の拡大につなげていただければと思います。

【質問②】教育旅行の誘致に県はどのように取り組んでいるのか伺いたい。

 次に、実際に教育旅行を誘致していくに当たり、現在、県としてどのような取組を行っているのかについて伺います。
 教育旅行においては、体験学習が非常に重要であると考えておりますが、本県の特色がどのように生かされているのか、また、実際に民間事業者が関わる場面も多い中で、そうした事業者との連携がどのように図られているのかも重要なポイントであると思います。
 こうした点を踏まえ、県の教育旅行誘致に向けた具体的な取組内容についてお伺いいたします。

回答:小橋誘客交流課長
  • 教育旅行は、本県を訪れる児童や生徒が、本県の歴史や自然、伝統文化等に触れるとともに、地域の人たちとの交流を通じて深い学びが得られ、将来的な本県の旅行需要の創出につながることから、県では、関係機関と連携し、教育旅行の誘致に取り組んでいます。
  • 県外からの誘致については、首都圏や北海道を対象に、教育旅行セミナーの開催や学校へのセールス活動、学校関係者を本県に招いた視察などを実施しています。その際、白神山地と縄文遺跡群の二つの世界遺産を通じた体験学習やねぶた祭り、津軽三味線といった伝統文化の体験、農家民泊など、本県ならではのメニューを提案しています。

 白神山地での自然体験や、ねぶた、三味線といった本県ならではの体験は、青森でこういうことを体験したという思い出となり、将来もう一度青森へ行ってみたいという気持ちにつながるものと考えております。
 こうした体験学習は積極的に進めていただきたいですし、広くアピールしていただきたいと思います。

 教育旅行の誘致に関しては、先ほどもありましたように鉄道利用促進のためのCMや、県として鉄道利用の支援等の取組が進められておりますが、私なりに調べたところ、他の自治体では貸切バスに対する支援を行っているところがありました。
 例えば、岩手県山形県においては、教育旅行の誘致に当たって貸切バス利用に対する支援がなされているほか、福島県秋田県宮城県でも、バス利用に対する助成や、教育旅行を実施する学校に対する補助制度等が設けられていると承知しております。
 このように、東北各地でバス利用に対する支援や、教育旅行の誘致に対する助成制度が整備されている自治体があると伺っています。

 そこで、現在のところ、本県において、貸切バスを利用する際の助成制度、県外の学校が本県に教育旅行で訪れる際の支援や補助制度等は設けられているのか、お伺いいたします。

回答:小橋誘客交流課長
  • 令和6年度まではバス助成という事業がございましたが、今年度、令和7年度はバス助成というメニューは実施しておりません。

 助成がなくなった理由について、お伺いいたします。

回答:小橋誘客交流課長
  • 教育旅行は大体学校が直接手配するのではなく、旅行会社の皆さんが間に入って手配を進めるのですが、そのセールスの際、バス助成という県の助成事業が、学校の教育旅行の獲得に生かされていないということがヒアリング等で分かりまして、今年度は実施しなかったという状況でございます。

 助成が十分に生かされていないという点については、なぜなのだろうかと感じております。
 他の自治体でも実施されている中で、青森県だけが活用されにくい何らかの事情があるのではないかとも思うところです。
 教育旅行のコンテンツの充実に加え、県外の学校が実際に青森県を訪れやすくなるような、様々な支援メニューについても検討していただきたいと思います。

ボールパークの整備について

 それでは、最後の質問に移ります。ボールパークの整備についてです。

 ボールパークについては、今回の県外調査で視察した長崎スタジアムシティが大変印象的でした。
 民間主導の施設であり、飲食店なども充実しており、非常に自由度の高い空間となっていました。民間主導であるからこそ実現できている部分も多く、青森県が同様の形をそのまま導入するのは難しい面もあるかとは思いますが、官民連携の手法も検討されている中で、魅力のあるボールパークを目指していただきたいと思っております。

【質問】ボールパーク複合施設に整備する県営スケート場について、令和13年冬頃の供用開始を目指すとのことだが、スケート場が利用できない期間が生じることについての県の認識について伺いたい。

 先週11月10日の県の発表では、整備スケジュール案などが示され、安藤委員からの質問に対する答弁もありましたが、来年の国民スポーツ大会終了後に現行のスケート場を解体し、その後、令和13年の冬頃の供用開始を目指すということで、令和9年から令和12年頃までの間、スケート場が利用できない期間が生じるとの説明でした。
 この点については、私のもとにも、アイスホッケーなどに取り組んでいる団体の方々から、利用できない期間をどのように過ごせばよいのかといった不安の声が寄せられています。
 報道においても、スケート人口が減少する中で、4年から5年に及ぶ空白期間が生じることにより、競技人口のさらなる減少につながるのではないかという懸念が示されていました。
 特に、小学生から中学生といった多感な時期に、地元でスケートに親しむ機会が失われてしまうことは、大きな影響があるのではないかと感じております。

 青森市においては、西市長が、県営スケート場の移転が完了するまでの間、市内でインラインホッケーができる環境を整備できないか検討しているとの発言もありましたが、県としても、スケート場が利用できない期間が生じることについて、どのような認識を持ち、どのように対応していく考えなのか、改めてお伺いいたします。

回答:金沢地域交通・連携課長

  • 県営スケート場の移転整備につきましては、安藤委員にお答えしたとおり、現時点で考え得る最短の供用開始は令和13年冬頃になると想定しております。
  • 一方、現県営スケート場については、統合新病院の整備スケジュールに支障が生じないよう、令和8年の国民スポーツ大会終了後、解体に着手することとなっており、スケート場を利用できない期間が生じることとなります。
  • 県としては、利用者への影響を考慮し、できるだけ利用できない期間が短縮されるよう整備する必要があるものと認識しており、今回のサウンディング型市場調査において、民間事業者から早期供用開始につながる提案等も伺いながら、引き続き早期供用開始を検討していきます。

 早期の供用が可能となれば望ましいとは思いますが、一方で、サウンディング型市場調査の結果や埋蔵文化財調査の結果などによっては、現在、令和13年の冬、すなわち2031年の冬として示されている供用開始時期が、さらに後ろ倒しになる可能性も否定できないと考えます。
 その点について、供用開始時期が遅れる可能性も含め、県としてどのように認識しているのか、改めてお伺いいたします。

回答:金沢地域交通・連携課長

  • 供用開始が遅れる可能性というお話でございましたけれども、実際、基本計画策定後、具体の工程に入っていく中で、並行して埋蔵文化財調査等も行いますので、その進捗率によってはスケジュールも変更する可能性はございます。

 供用開始の時期については、様々な要因により変更となる可能性があり、結果として予定よりも延びてしまうことも想定されると考えております。
 そうした中で、スケート場が利用できない期間が実際に生じることについて、青森市においては、代替的に活動できる環境を整備できないか検討していると伺っておりますが、県としても、青森市と連携しながら候補となる場所の選定を行うことや、代替施設の確保や整備を検討するなど、何らかの対応を考えているのかどうか、その点についてお伺いいたします。

回答:金沢地域交通・連携課長

  • 県では、スケート場の移転、整備を含むボールパーク整備基本計画の策定作業というところを私どもの部で担当しておりまして、仮設の対応というところについてまでは、まだ検討していない状況にあります。

 現時点では、県として具体的な対応には至っていない状況であるとのことですが、スケート場が利用できない期間における競技者、特に子供たちにとっては、極めて切実な問題であると受け止めております。
 競技環境が長期間失われることにより、競技人口の減少や、将来にわたる影響も懸念されることから、青森市の取組とも連携しながら、県としても代替環境の確保等について前向きに検討し、対応していただくよう強く要望いたします。

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